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PARKER 「ソネット」 のレビュー

 パーカーの「ソネット オーシャンブルーST」、XFニブです。

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(1)位置づけ

 このソネットの最大の特徴は、価格の安さです。元々舶来万年筆は高価格な傾向がありますが、この数年のユーロ高やメーカのブランド化戦略などで、舶来万年筆の価格は上がる一方です。そうした中、1万円台で金ペンが買える舶来万年筆というのはあまりなく、その点でソネットは他を寄せ付けない存在であるといえます。

 ソネットは基本的に金属軸ですが、金属軸の割には全体的に軽いです。感覚的には樹脂軸と同じように使えます。バランスも良く、大量筆記をしていても疲れない、優れたペンだと思います。

 なお、私が持っているソネットは、今「ソネット オリジナル」として販売されているものです。また、私はもう一つソネットの限定品として「ソネット クロコダイル ヴァーメイル」を持ってます。

 →PARKER 「ソネット クロコダイル ヴァーメイル」 のレビュー

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(2)ペン先、書き味

 ソネットには金ペンと鉄ペンの両方がありますが、私が持っているのは18Kの金ペンです。

 ソネットと言えば、柔らかいペン先を持つ万年筆でしたが、時代の流れに合わせて、モデルチェンジごとにペン先は硬くなる傾向にあります。私の持っているモデルは、もう一般的な万年筆と同じぐらいの硬さのニブになっていると思います。それでもまだ柔らかい、という人もいますが、今のモデルだと、柔らかいペン先を期待して買うとがっかりするかもしれません。

 ただ「低価格で気軽に使うペン」というソネットの立ち位置からすると、今の硬さの方が使いやすいので良いと個人的には思います。

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(3)キャップの穴

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 ソネットのもう一つの特徴は、キャップに穴が開いていることです。これはパーカーの特徴で、ソネットだけでなくデュオフォールドにも、キャップに穴が開けられています。

 その理由については諸説を耳にします。「子供がキャップを飲み込んでしまっても呼吸できるように」ということや、「結露によってキャップ内部がカビないように」などです。いずれにせよ、キャップに穴が開いていることで、一週間ぐらい万年筆を使わないでいると、インクが煮詰まって濃くなったり、書き出しがかすれたりします。それが気になる人も、買う場合には検討が必要です。

 このソネットのキャップの穴は、デュオフォールドのようにハッキリとした穴が開いているわけではなく、キャップの上部に微妙に隙間が空いているタイプです。ですので、自力で穴をふさぐのはきわめて困難です。デュオフォールドなどの場合は自力で穴をふさぐことも可能ですが、ソネットの場合は対処不能です。

 →キャップの穴を 「バスコークN 透明」 で埋める

(4)嵌合式

 キャップは嵌合式です。他の嵌合式の万年筆は、キャップを軸に嵌めるときにカチッという音と抵抗があるのが普通ですが、ソネットの場合は”スコッ”という感じで、微妙に圧力がかかりながら嵌る独特の感触があります。これはこれで、他の嵌合式の万年筆と差別化になる個性として、なかなか良いと思います。感触については言葉ではなかなか表現できない部分もありますから、店頭で試されると良いでしょう。

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(5)インク付着問題

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 一方、ソネットでもう一つ問題だと思うのは、首軸先端に付いている金属リング部にインクが付きやすいという問題です。このリングは嵌合式という機構を実現する上で不可欠の部品ですが、使っている内にいつの間にかインクが付着し、それが指について手を汚してしまう、という事態を時折発生させます。

 その原因はよく分かりません。キャップ内に漏れたインクがリングに着くという説や、キャップを抜くときの負圧で首軸とニブの接合部の隙間からインクが漏れて、それがリングに着く、という説など、いろいろ耳にします。

 いずれにせよ、リングにインクが付くという問題が生じることには変わりないわけで、そういうのが気になる人、ペンの先端の方を持つ人などは、ソネットはスルーした方が良いかもしれません。

(6)総評

 総合してみた場合、このソネットは、かなり功罪の両方を持つ特徴的な万年筆だと思います。結構好き嫌いが分かれる万年筆でしょう。プラス面とマイナス面がハッキリしていて、私自身も評価に困る面があります。買う場合はその辺りをじっくり検討した方が良いでしょう。

 特にインクが乾きやすいという点はかなり問題となりやすいですので、カジュアル万年筆の割には、あまり万年筆入門者には薦めにくいです。

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※スペック一覧

・重さ 全体:26g キャップ:10.5g キャップなし:15.5g 首軸:4.5g
・長さ 全長:13.2cm キャップなし:12.3cm 後尾にキャップ:14.5cm
・太さ 首軸最小径:9mm 首軸最大径:10mm 胴軸先端:10.70mm 胴軸後端:8.7mm キャップ先端:12mm キャップ後端:9mm

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万年筆 / 感想・レビュー (外国産)」カテゴリの記事

コメント

初めまして。 luckymarimoと申します。

 このエントリと全く同じソネット オーシャンブルー、XFニブを
 買って使っています。 
 色々なところで柔らかいとおっしゃられている皆さんの感想とは
 違うなぁと思い続け、また三越の万年筆祭りのサンプルのソネット
 も「あ、やっぱり自分のと一緒の硬さだなぁ」などど思っていた
 疑問?(モヤモヤ)がやっと晴れました。 だんだん硬くなって
 きているのですね。  情報ありがとうございます。 m(_ _)m
  
 逆にどこかで古いソネットを探してみたくなりましたけど(笑)

 細字といえば、私はプラチナの3776ギャザードが気になっているの
 ですが、もきゅすけさんのエントリーがあるかどうかこれから
 探させて頂きます。

 どーむさんもお見えになっているのですね♪
 
 また何かお聞きするかもしれません。 
 宜しくお願い申し上げます。
 

投稿: luckymarimo | 2008年9月27日 (土) 23時00分

 luckymarimo さん、初めまして。
 拙作の記事が参考になったようで、良かったです。

 ソネットは長らく、柔らかいペン先を持つ万年筆の代表的な一本でした。そのためその印象から、いまだに柔らかいと語られることが多いですね。それが混乱の原因でしょうか。ソネットは次のような流れだとネットで見ました。
---------------------------------------------------
・ソネット ペン先が柔らかいのが特徴 (1993年)
 ↓
・(ソネット改) ペン先がやや硬くなる
 ↓
・ソネット・プルミエ 軸デザイン変更、ペン先はソネット改と同じ (1998年)
 ↓
・Newソネット ペン先・軸デザイン変更、ペン先はプルミエより更に硬く (2003年)
---------------------------------------------------

 プラチナの#3776ギャザード細字はいいですよ。私は愛用してますが、残念ながら、まだレビューは書いてません。
 「国産万年筆 / 三社の細字の特徴と違い」という記事に、プラチナの細字の書き味の特徴を少し書いてます。

 また、リンクにあるブログ「弘法よ、筆は選べ」さんの所で、#3776ギャザード細字のレビューがアップされていますから、それも参考になると思います。

 luckymarimo さんも文房具のブログを書かれているのですね。これから拝見したいと思います。また、luckymarimo さんのブログをリンクに加えました。もし不都合があるようならおっしゃってください。

投稿: もきゅすけ | 2008年9月28日 (日) 04時14分

こんばんは。先日、イギリスに住んでいる知人からフロンティアをもらいました。デザインがこのソネットと似ているので、EF Mania様と同じようにインク付着問題で悩まされないか心配です。ソネット同様、キャップに穴があるせいか、書き始めもカスレやすいです。

投稿: ヘンリー | 2011年1月18日 (火) 18時56分

 >ヘンリー さん

 フロンティアもいいですね。私も持っていますが、字幅が中字のみですので、残念ながら細字好きの私には使う機会が少ないです。私の持つフロンティアは相当に昔のモデルですので、今のモデルと同じなのかどうかは分からないのですが…

投稿: EF Mania | 2011年1月21日 (金) 10時19分

確かにフロンティアの線幅は太すぎますよね。“中字”なのに国産品の太字くらいの線幅があります。英数字を書くのには苦労しませんが、あれで日本語を書こうとすると苦労します。旧モデルと今のモデルではデザインが違うんですかね…… こうなるとデュオフォールド・センテニアルが欲しくなってきました。

投稿: ヘンリー | 2011年1月21日 (金) 23時21分

 >ヘンリー さん

 デュオフォールドは嫌いではないのですが、他の方に手放しで勧められるかと言えば、少し微妙ですね。値段が少し高すぎると感じます。昔のデュオフォールドは今よりも安かったです。その後、パーカーがブランドか戦略をとり、そのせいで価格が上がりました。そういう経緯を知っていると、ちょっと今の価格は分不相応に高い印象です。私は万年筆マニアですからそれでも購入しましたが、そうでないなら他の万年筆の方がお買い得に感じます。

投稿: EF Mania | 2011年1月23日 (日) 17時28分

確かに高すぎますよね。これならスーベレーンのM400の方がいいような気がします。

投稿: ヘンリー | 2011年1月23日 (日) 20時12分

私もソネットを使っていますが、リングにインクがつく原因は、インクがペン先から出るだけではなくて、ペン先と本体の付け根からもわずかに漏れ出ることにあるんじゃないかと思います。ティッシュペーパーを細くちぎってペン先の根元だけくるんでみると、確かに根元からわずかにインクがでてくることが確認できます。これが横に広がって、リングにインクがつくのではないでしょうか?もっとも自分のものしか知らないのではっきりしたことはいえませんが・・。

投稿: 梅 | 2012年5月27日 (日) 01時38分

硬いペン先であれば、サファリやペリカーノで充分、、。
完璧に調整すれば文句のつけようがないですね。

でもでも、、、
万年筆の万年筆たる所以は、やっぱりペン先の柔らかさだと・・・

現在の手持ちは、ソネット1stモデルのF&B、
モンブラン227Bとヴィンテージの146M、
パイロットのSM

ソネットは多少ペン鳴きするものの、所謂「快感」を覚えるタッチです。

ところで、ソネットのドライアップ防止方法、、、
ちゃんとありますよ

投稿: plumpapa | 2016年6月25日 (土) 18時34分

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