« 「ペンだこ」に対処する (治療編) | トップページ | カートリッジでボトルインクを使う方法 »

「CROSS タウンゼント シルバー」のレビュー

 クロスの「タウンゼント スターリングシルバー」、XFニブです。私はシルバー軸の万年筆が大好きです。ですから、このタウンゼント シルバーも、かなり早い時期に購入して愛用している万年筆です。

75_2

(1)外観

 このタウンゼントシルバーは、他の一般的な万年筆と比べて、軸が一回り長めです。キャップを後ろに挿すとかなりの長さになります。極端なリアヘビーになるというわけではありませんが、どちらかと言えば、キャップを挿さない方が書きやすいと思います。軸の太さは、太すぎず、細すぎずで、万年筆としては一般的な太さです。

 キャップは嵌合式ですが、正直言って、嵌合式の感触は良くありません。それなりの力を入れてゴチッと嵌める感触です。スコッと嵌るソネットや、上品にカチッと締まるセーラーの銘木シリーズと比べると雲泥の差です。その点はマイナスです。

76

(2)書き味・ペン先

78

 書き味は良好です。どちらかと言えば、サリサリ系の書き味で、ツルツル滑る書き味が好みの人には向かないかもしれません。似た書き味をあえて探せば、アウロラのオプティマに似た書き味だと思います。

 クロスのXFは舶来万年筆の中でも有数の細さを持つことが特徴ですが、このタウンゼントはクロスの中でも比較的太めの傾向があるようです。パイロットのFM辺りの太さでしょうか。

 金属軸ですが、それほど重いというわけでもなく、キャップをせずに書けば、長時間筆記にも耐えると思います。

(3)スターリングシルバー軸

 シルバー軸はやはり光り方が美しいです。単純な光線彫りが施された外観は、わりあいシンプルです。キャップのリングはボテッとしたデザインで、個人的には好みではありません。いろいろな銀軸万年筆をそろえた今となっては、もうちょっとデザインに一工夫欲しかった、というのが正直な感想です。

77

(4)内部の仕上げ

79_4

 このタウンゼントシルバーの大きな問題点の一つが、内部の仕上げです。キャップや軸の内側があまり綺麗とは言えません。見えないところとは言え、定価5万円の製品なら、もっと仕上げを綺麗にして欲しいところです。また、クリップの内側も錆が見えますし、首軸部の金属リングも、微妙にがたつきます。

 そうした様々な仕上げの甘さもあって、スターリングシルバーの万年筆にもかかわらず、全体的に「安っぽい」という印象を抱いてしまっているのが現状です。

(5)総評

 私はシルバーの万年筆が好きですから、このタウンゼントシルバーにもそれなりの愛着があります。ただし、嵌合式の感触や単純なデザイン、作りの甘さなどの理由から、それなりに厳しめの評価をせざるを得ないのが現状です。

 このレビューでは厳しいことを書きましたが、細字好きとしては、クロスには期待するところが大です。もっと細かい部分に気を配った万年筆を期待しています。

|

« 「ペンだこ」に対処する (治療編) | トップページ | カートリッジでボトルインクを使う方法 »

万年筆 / 感想・レビュー (外国産)」カテゴリの記事

コメント

個人的には、クロスのBBK(ブルーブラック)をボトルで
出して欲しいです(^^;
あの他メーカーにない独特の色が好きなのですが、
いかんせん店頭で売っているカートリッジでさえ、インクが
半分しか入っていないものが多すぎます。

とはいえ、高価なものではなくメダリストで鉄ペンです(^^;
初期のものなので、ペン先は非常に柔らかい上に、
XFでも細い方です。
個体差があるのかな?

投稿: ZEAK | 2008年7月16日 (水) 18時41分

 売り物のカートリッジで、インクが減っているのはさすがにがっかりしますよね。カートリッジの場合は、空気が出入りする構造になってますから、仕方がないんでしょうけれど。ボトルの方が空気に触れにくい分、扱いやすいですから、カートリッジにあるのなら、ボトルで出して欲しいところですよね。

 メダリストの細さは、個体差もあるかもしれませんが、昔のだからかもしれません。昔に比べて、ペン先の字幅はどんどん太くなってますし、またガチガチに固くなってますから。
 ヴィンテージのペン先は、EFはちゃんとEFの細さがある、という話を聞くと、うらやましくなります。私自身が万年筆を買うようになってから日が浅いですから、昔の万年筆、ヴィンテージの万年筆は持ってないんですよね。
 京都に住んでますから、ヴィンテージを売っている店もなく、ネットオークションは個人的にやりたくないので、ひたすら現行品主義になっちゃってます。(^^;

投稿: もきゅすけ(管理人) | 2008年7月16日 (水) 19時41分

京都でしたら、市内だけでなく大阪、神戸まで広げる
ことができますね。
羨ましいです(^^;

投稿: ZEAK | 2008年7月17日 (木) 08時17分

 いやいや、京都は結構、文具店が少ないです。昔には檸檬で有名な丸善があったのですが、私が万年筆の購入に力を入れ始めたちょうどその頃に、なくなっちゃいました。
 仕事で週に一度ぐらい大阪に出るので、その機会に時間を作って、文具店をぼちぼち探索するのが日常ですね。

投稿: もきゅすけ(管理人) | 2008年7月17日 (木) 14時30分

突然の質問恐れいります。
こちらのクロスのタウンゼントスターリングシルバーですが、925もしくはスターリングシルバーを表す刻印はございますでしょうか?
私の手元にも同じ物と思われるものがあるのですが、925刻印はありません。
質感は、スターリングシルバーと思え、シルバープレートでは無い感じです。
タウンゼントのシルバープレートのラインナップは、クロスのヒストリーにも載っていないので、スターリングシルバーだと思うのですが、刻印がないのが気になります。
ご教授いただけましたら幸いでございます。
よろしくお願い致します。

投稿: 358d | 2016年5月23日 (月) 18時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「ペンだこ」に対処する (治療編) | トップページ | カートリッジでボトルインクを使う方法 »