「英雄 H3000 金線細工」のレビュー
北京オリンピック記念、中国万年筆レビューの第4弾です。英雄 「H3000 金線細工コレクション」、Mニブです。第2弾の竹軸万年筆のように、これもまた、中国万年筆らしい一本です。
私は基本的に万年筆を実用として買っています。だから、細字にこだわりますし、実用にならない万年筆は買いません。ただ唯一、この一本だけは、実用として使う意図なく買いました。私にとっては珍しい一本です。
(1)外観
キャップおよび胴軸に金線細工が施されています。ドラゴンの意匠をかたどったものだそうです。黒地に金線細工が浮き上がるようにデザインされてます。買う前は、この金線細工はヤワな感じなのかな、と思っていましたが、結構しっかり作られています。
(2)ペン先、書き味
ペン先は18金の大型ニブが付いています。ニブの大きさは、ペリカンのM1000クラスもあり、豪華です。バイカラーでデザインも凝ってます。
英雄の万年筆全般に言えることですが、これも過剰と言えるぐらいのインクフローがあります。インクフローを良くする調整がいらないのは便利ですが、インクフローが抑え気味なのが好きという人には少し向かないかもしれません。
(3)軸バランス
金属ベースの万年筆ですから、結構重めです。キャップはネジ式です。
胴軸の後ろにネジが切られていて、ネジ式でキャップを後ろに嵌める方式です。キャップは後ろに浅くしかささらないため、キャップを漬けるとかなり全長が長くなってしまいます。この万年筆はキャップをささずに書いた方が書きやすいと思います。
(4)金線細工
どこかにぶつけるなどして、胴軸の金線細工を壊さないよう注意が必要ですから、荒い使用にはもちろん向きません。まあ、私もそうですが、この万年筆で外に持ち歩いて、大量筆記をしようという人はあまりいないだろうとは思いますが。
金線細工の金の純度など、詳しいことは不明です。諭吉さん三枚で買えるものですから、過度な期待はしないようがよさげです。私自身もあくまで見た目第一で購入しましたし、デザインを楽しむのが吉でしょう。
(5)両用式
吸入方式は両用式です。首軸はちょっと長めになってます。金線細工の部分を持つのはためらわれますから、胴軸の後ろ側を持つスタイルの人のことを考えてのデザインかと思われます。
(6)総評
こういう金線細工物は中国万年筆ならでは、と言えます。派手な万年筆が好みのコレクターとして、こういうのも一本は持っておこう、と思って買いました。
どんどん中国が経済発展して、通貨の元も少しずつですが高くなる中、こうした万年筆はどうなるでしょうかね。手に入れやすくなるのか、あるいは値段が高くなったり、職人がいなくなって消えていったりするのか、行く末が少し気になるところです。
※スペック一覧
・重さ 全体:74g キャップ:29.5g キャップなし:44.5g 首軸:10g
・長さ 全長:14.9cm キャップなし:13.4cm 後尾にキャップ:18.5cm
・太さ 首軸最小径:10mm 首軸最大径:11.5mm 胴軸先端:13.5mm 胴軸後端:10mm キャップ:10mm
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コメント
こ、コレは派手ですねぇ。。。
強く握ると指にコピーがとれそうです(w
投稿: どーむ | 2008年8月30日 (土) 09時56分
どーむさん、こんにちは。
これはさすがに、金線細工部分を持つ気にはなれないです。そうした意味で言うと、軸の真ん中辺りを持つような筆記スタイルの人には向かない万年筆と言えますね。
まあ、これは見て楽しむのがメインの万年筆だと思うので、これでいいんでしょう。
投稿: もきゅすけ | 2008年8月30日 (土) 21時23分