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2008年8月の21件の記事

国産万年筆 / 三社の細字の特徴と違い

 国産三社の「パイロット、セーラー、プラチナ」の細字には、それぞれ特徴があり、書き味は異なっています。それぞれの違いについて、私の印象を書きたいと思います。この記事では、ニブの柔らかさは置いておいて、ペン先の研ぎ方とインクフローに焦点を当てて書いています。なお、対象とするのはそれぞれの"14K F字"です。

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◆インクフローと研ぎ方の違いについて

インクフロー
国産三社のうち、インクフローが良いのは、「 パイロット>セーラー>プラチナ 」の順です。
ペンポイント
一方、ペン先のイリジウムの大きさ、紙との接地面の広さでは、「 プラチナ>セーラー>パイロット 」の順です。

 同じ細字を実現するのでも、「インクフローを良くする一方、イリジウムを小さくする」という方法もあれば、「イリジウムは大きいけれど、インクフローを絞る」という方法もあります。前者を採用しているのがパイロットで、後者がプラチナというわけです。セーラーは両者の中間ですね。


 パイロットはイリジウムが小さめで、紙との接地面は丸みを帯びています。また、イリジウムはニブのラインから盛り上がってます。それに対し、プラチナは「カット」という研ぎ方で、イリジウムを四角にした後、八角に研ぐそうです。イリジウムはニブのラインから盛り上がっておらず、また接地面も平らです。

 この辺りの研ぎ方の違いは、実際にそれぞれの細字ニブを10~20倍のルーペでご覧になると分かると思います。もし実物を持っていないという方は、『趣味の文具箱 vol.10』の 「p.90の #3776 ギャザード」 と 「p.91の カスタム67」 のペン先の違いをご覧になれば、それぞれの特徴が一目瞭然かと思います。


(※2011/07/14:追記)
 プラチナは33年ぶりに#3776をフルモデルチェンジしました。今回の改良により、プラチナのペン先はセーラーに匹敵するぐらいにインクフローが良くなりました。
 →プラチナ 「#3776 本栖」 のレビュー

◆書き味の違いについて

 そうした違いが、それぞれの書き味の違い、個性の違いとなって現れてくる訳です。

 パイロットはインクフローが良いですから、インクがドクドク出る気持ちよい書き味が得られます。人によって好みの違いがあるとは言え、やはり潤沢なインクフローは書いていても楽しいです。インク掠れでイライラすることもありません。

 しかしその一方、筆跡がぼやけがちで、止めや払いが綺麗に決まりにくいです。口の悪い人は「眠たい筆跡」とも言います。特に、あまり質の良くない紙に書くと、インクが出過ぎるため、筆跡がぼやける傾向が強くなります。また、イリジウムが小さめのため、紙を引っかきがちで、カリカリする書き味の傾向があります。

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 プラチナはインクフローが絞られているため、筆記線がぼやけず、止めや払いが綺麗に決まります。細字で日本語を一番綺麗に書けるのは、プラチナだと私は思います。紙に引っかかりにくく、抵抗感のある独特の筆記感も楽しめます。

 しかしその一方、インクフローが悪いために、書くことの楽しさ、というのは感じにくいです。また、まるで鉛筆で書いているような抵抗感のある筆記感も、長文を書いているとちょっと辛くなってきます。

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 このように、パイロットにもプラチナにも、それぞれのメリット、デメリットがあります。しかしプラスに考えれば、その時々の気分や目的によって、使い分けをすれば、それぞれの万年筆を快適に使えるとも言えるわけです。

 例えば、手紙などで字を綺麗に書きたい、という時にはプラチナを使えば良いですし、日記などで長文を気持ちよく書きたい、という時にはパイロットを使えば良いわけです。あまり尖った特徴があるのはちょっと、という場合は、セーラーを使えば良いでしょう。


◆終わりに

 国産三社の万年筆は、スタンダードラインがどれも黒色のバランス型、ということから、どれを使っても似たようなもの、と考えてしまいがちです。しかし、使い込めば使い込むほど、それぞれの特徴や良さ、違いが見えてきます。もし、一つのメーカの細字に飽きた、という場合は、他の国産メーカを試されると良いでしょう。また違った楽しさがそこから見えてくるかもしれません。

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※備考1
 今回の記事は、インクフローと研ぎ方にのみ焦点を当てた分析です。書き味に影響を与える他の要素、例えばニブの柔らかさやニブの大きさ、軸バランスなどは考慮に入れてません。ですから、もちろん同じメーカの万年筆でも、ニブの柔らかさなどで書き味は異なってきます。


※備考2
 セーラーはパイロットとプラチナの中庸な部分が多いため、記述が少なくなってしまいました。しかし、別にダメだとか嫌いだとかいうわけではありません。セーラーの場合、14kと21kの個性の違いが特徴的です。ここまで違う書き味なのは、国産三社の中でセーラーだけです。いずれ機会があれば、その違いについて記事にしたいと思います。


※備考3 (2011/07/14 追記)
 プラチナは#3776をフルモデルチェンジして、インクフローが良くなりました。しかし、大筋としては特徴は変わっていないと思います。

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「英雄 H3000 金線細工」のレビュー

 北京オリンピック記念、中国万年筆レビューの第4弾です。英雄 「H3000 金線細工コレクション」、Mニブです。第2弾の竹軸万年筆のように、これもまた、中国万年筆らしい一本です。

 私は基本的に万年筆を実用として買っています。だから、細字にこだわりますし、実用にならない万年筆は買いません。ただ唯一、この一本だけは、実用として使う意図なく買いました。私にとっては珍しい一本です。

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(1)外観

 キャップおよび胴軸に金線細工が施されています。ドラゴンの意匠をかたどったものだそうです。黒地に金線細工が浮き上がるようにデザインされてます。買う前は、この金線細工はヤワな感じなのかな、と思っていましたが、結構しっかり作られています。

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(2)ペン先、書き味

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 ペン先は18金の大型ニブが付いています。ニブの大きさは、ペリカンのM1000クラスもあり、豪華です。バイカラーでデザインも凝ってます。

 英雄の万年筆全般に言えることですが、これも過剰と言えるぐらいのインクフローがあります。インクフローを良くする調整がいらないのは便利ですが、インクフローが抑え気味なのが好きという人には少し向かないかもしれません。

(3)軸バランス

 金属ベースの万年筆ですから、結構重めです。キャップはネジ式です。

 胴軸の後ろにネジが切られていて、ネジ式でキャップを後ろに嵌める方式です。キャップは後ろに浅くしかささらないため、キャップを漬けるとかなり全長が長くなってしまいます。この万年筆はキャップをささずに書いた方が書きやすいと思います。

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(4)金線細工

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 どこかにぶつけるなどして、胴軸の金線細工を壊さないよう注意が必要ですから、荒い使用にはもちろん向きません。まあ、私もそうですが、この万年筆で外に持ち歩いて、大量筆記をしようという人はあまりいないだろうとは思いますが。

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 金線細工の金の純度など、詳しいことは不明です。諭吉さん三枚で買えるものですから、過度な期待はしないようがよさげです。私自身もあくまで見た目第一で購入しましたし、デザインを楽しむのが吉でしょう。

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(5)両用式

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 吸入方式は両用式です。首軸はちょっと長めになってます。金線細工の部分を持つのはためらわれますから、胴軸の後ろ側を持つスタイルの人のことを考えてのデザインかと思われます。

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(6)総評

 こういう金線細工物は中国万年筆ならでは、と言えます。派手な万年筆が好みのコレクターとして、こういうのも一本は持っておこう、と思って買いました。

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 どんどん中国が経済発展して、通貨の元も少しずつですが高くなる中、こうした万年筆はどうなるでしょうかね。手に入れやすくなるのか、あるいは値段が高くなったり、職人がいなくなって消えていったりするのか、行く末が少し気になるところです。

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※スペック一覧

・重さ 全体:74g キャップ:29.5g キャップなし:44.5g 首軸:10g
・長さ 全長:14.9cm キャップなし:13.4cm 後尾にキャップ:18.5cm
・太さ 首軸最小径:10mm 首軸最大径:11.5mm 胴軸先端:13.5mm 胴軸後端:10mm キャップ:10mm

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WATERMAN 「エキスパート」のレビュー

 ウォーターマンの「エキスパート レッドGT」のEFと、「ブルーCT」のFです。

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(1)筆記バランス

 エキスパートのニブは鉄です。鉄ペンというと廉価版という印象が強いですが、このエキスパートは1万5千円の価格にもかかわらず、鉄ニブです。

 ではお買い得ではないのか、と言えば、そうではないと考えます。エキスパートは軸バランスが絶妙で、とても使いやすい万年筆だと思います。金属軸ですから若干重めですが、軸バランスが優れているために、重さを感じさせない筆記が可能です。

 キャップ無しでも後ろにキャップをつけても、どちらでもバランスは良好です。

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(2)ペン先、書き味

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 ウォーターマンらしく、ペン先は超ガチニブです。万年筆に柔らかさを求める人には向きませんが、実用としてガシガシ書くには向いています。ペン先が小さいのも、殴り書きするにはプラス面だと言えます。

 イリジウムの研ぎは丸研ぎで、左右のひねりへの許容度が高く、万年筆初心者にも扱いやすいと言えます。

 ウォーターマンのEFは、舶来万年筆にしては、比較的細めです。とは言え、クロスほどの細さではありませんが。

(3)嵌合式

 キャップは嵌合式で、さっと使いたいときに使える便利さがあります。後ろにキャップを指すときも、カチッと嵌るため、安定感があります。嵌合式の万年筆には、まれに気密性の低い物がありますが、このエキスパートは問題ありません。

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(4)コンバータ

 私が使ってきた限りでは、コンバータには不満があります。ウォーターマンのコンバータは、普通に使っていても、インクがピストンの後ろに回りやすいのです。洗えば済むこととは言え、気になる点ではあります。

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 また、カレンを使っていたとき、インクが漏れるということがありました。調べてみると、コンバータの口の部分にクラックが入っていました。もしかしたら私の使い方に問題があったのかもしれませんが、個人的にはあまり印象が良くありません。

(5)レッドGTとブルーCT

 私はレッドGTとブルーCTの二本を持っています。これは私には珍しいことで、基本的に私は同じ万年筆は買いません。ブルーCTは、私が万年筆を買うようになってすぐに購入しました。その時は私の細字趣味を自分でも理解していませんでしたので、Fを購入しました。その後、もっと細いのが自分の好みだと分かってから、レッドGTのEFを購入したという訳です。

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 字幅の違いを別にして、レッドGTとブルーCTとでは、私は圧倒的にレッドGTの方が好きです。赤い胴軸と金のリング&クリップ、そして黒い樹脂部分が良い感じで調和が取れていると思います。ニブもバイカラーで派手です。個人的には、エキスパートはレッドGTとブラックGTが良いデザインだと思います。

 これは私が派手好みということが影響してますね。スタイリッシュ・クールなのが好みという人は、ブルーCTの方が好みに合うかもしれません。

(6)総評

 エキスパートは、その名の通り、ビジネスマンが仕事用にガシガシ使うのが似合う万年筆だと思います。金属軸の鉄ペンですから、荒い使用にも向いてます。

 非常に軸バランスの優れた、完成度の高い万年筆で、オススメの一本です。

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※スペック一覧

・重さ 全体:32.5g キャップ:10.5g キャップなし:22g 首軸:4g
・長さ 全長:14.2cm キャップなし:12.6cm 後尾にキャップ:15.1cm
・太さ 首軸最小径:9mm 首軸最大径:11mm 胴軸先端:12mm 胴軸後端:8mm キャップ先端:13mm キャップ後端:8mm

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セーラーから"グランザス ネオ (GlanzAus neo)"が発売に

(10/27 追記) 「セーラー グランザス ネオ」のレビューを記事にしてアップしました。


 セーラーから、新たに"グランザスネオ"が発売になるようです。
 2006年に、サンライズ貿易さんの創立50周年記念として、グランザスが発売されました。今回はその第2弾です。

 →セーラー公式ページ (外部リンク)


◇シルバー&ロジウム

 胴軸がスターリングシルバーにロジウムプレートと、豪華です。前回とは、胴軸の模様がフローレン彫刻となり、異なってます。


 私はスターリングシルバー物が好きなので、かなり欲しいです。自分の中では、すでに購入決定です。
 ロジウムプレートは、あの独特な光り方で賛否両論ありますが、個人的には好きでも嫌いでもなく、普通です。プロシックとちょっと被る感じがあるのがアレですが。(^^;
 →プロシックのレビュー

 個人的には、キャップも胴軸と同じ構成にして欲しかったところです。ただ、キャップが軽めですから、キャップを後ろにつけても重心があまり後ろにいかないでしょうから、書きやすそうではあります。


◇グランザス再び

 前回のグランザスは、買おう買おうと思いつつ、店頭で実物を何度も見て悩んだあげく、深い理由なしに見送ったんですよね。今回はそのリベンジ(?)で、購入しようと思ってます。

 あとは手に入れる手段ですね。行きつけの文具店で手に入れられるのか、聞かないといけません。これはサンライズ貿易さんと取引のある所でしか手に入れられないみたいですので。


※備考
 私的電脳小物遊戯さんの所で、グランザスのレビュー(1)(2)がアップされてます。
 グランザス ネオを検討する上で、参考になりました。

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「CROCODILE 彫金細工 C618F」のレビュー

 北京オリンピック記念、中国万年筆のレビュー第三弾です。CROCODILE 彫金細工22金仕上げ C618Fです。

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 この万年筆のレビューを書く上で最大の問題だったのは、この万年筆の素性がよく分からない、という点にあります。オークションで手に入れた物なのですが、この万年筆のハッキリとした素性は分かりません。"The Fountain Pen Network"を見ると、このCROCODILEというのが中国メーカであることは確かなようです。


(1)外観

 この万年筆の最大の特徴は、キンキラキンのド派手な外観です。
 螺旋型に窓の開いた金属軸から、銀色の彫金加工された下地が見えます。この銀色の下地は真鍮なのか銀メッキがされているのかは不明ですが、菱形の彫金加工がされているため、光を反射してキラキラ輝いてます。

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 他に類例のないデザインで、基本的に派手なデザインが好きな私は、この外観がツボに入ったので購入しました。個人的に、結構気に入ってます。


(2)ペン先、書き味

184  22Kゴールドプレートが施された鉄ペンです。

 字幅は不明です(オークションでも表示なし)。書いた感じでは、Mニブ辺りの筆記幅でしょうか。小さめのニブで、ごく平凡な書き味です。

 ペン先にはワニ柄が刻印されてます。



(3)キャップ

 キャップは同軸よりもさらに派手です。キャップの根本には人造宝石が埋め込まれ、クリップにはワニの顔の形をしています。もちろん、数千円で買える物ですから、人造宝石でも安い物でしょう。

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 さすがに派手好きの私でも、これらのデザインは悪趣味の領域に入っていると思います。(^^;

179  天冠にもワニが鎮座していて、とことんクロコダイルです。

 金豪(JIN HAO)の万年筆にもクリップがワニの顔をしているのがあるんですよね。このCROCODILEというブランドは、金豪関連なんですかね?



(4)バランス

 金属軸ですが、そんなに重いわけでもありません。私はいつも通りキャップをつけずに筆記していますが、大量筆記可能なバランスだと思います。

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 キャップのささりは浅めですから、キャップを後ろに指すと重心は後ろめになります。キャップはゴテゴテと飾りが付いている分、重めですので。


(5)嵌合式

 キャップは嵌合式です。
 インク吸入は両用式で、回転式コンバータが付属しています。コンバータの軸が緑色なのは珍しいですね。

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(6)総評

 派手でキンキラキンの万年筆が欲しいという人にオススメです。さすがに派手好きの私でも職場でこれを使う勇気はありませんが、自宅で使う分には、特徴的なデザインが結構気に入ってます。
 書き味的には普通の鉄ペンですので、見た目勝負ですね。

 私はもう一本、これとは別の意味で派手な中国万年筆を持ってます。そのレビューもまた書きたいと思います。

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※スペック一覧

・重さ 全体:48.5g キャップ:22.5g キャップなし:26g 首軸:8.5g

・長さ 全長:13.9cm キャップなし:12.4cm 後尾にキャップ:16.4cm

・太さ 首軸最小径:8mm 首軸最大径:10mm 胴軸先端:11mm 胴軸後端:9mm キャップ:12mm

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英雄のプッシュ式コンバータ 豪華版(?)

 以前の記事で、英雄のプッシュ式コンバータを紹介しましたが、先日手に入れた万年筆には、プッシュ式コンバータの豪華版(?)が付いてました。

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 写真の通り、金メッキバージョンです。英雄のマークも付いて、凝ってます。装着されていた万年筆はバーメイルですので、それに合わせてでしょうか。

 プッシュ式コンバータは廉価版だと思ってましたが、このように凝るのなら、回転式コンバータをつければいいのに、とも思ったり。(^^;
 このコンバータは使い慣れたので、そんなに嫌いではないんですけどね。

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Parker 「デュオフォールド センテニアル」 のレビュー

 パーカーの「デュオフォールド センテニアル パール&ブラック」、XFニブです。この万年筆は軸の美しさに惹かれて買いました。一度発売された後廃番になり、その後に欲しくなりましたので、再発売はとても嬉しかった記憶があります。

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(1)外観

 その名の通り、真珠色に黒線がアクセントとして入れられている独特の模様です。色々な軸色の万年筆がありますが、白色系というのは意外と少なめです。白色系の万年筆を一本欲しい、という方にはオススメです。

 黒線の模様は型で作っているらしく、基本的に共通です。ヴィスコンティなどにみられるような、一本一本の柄が違う、というタイプではありません。ですから、何本もの万年筆から気に入った柄のを選ぶ、という作業は必要ないかと思います。

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 全体的なフォルムは円柱形で、長めの軸を持ちます。重さは軽くもなく重くもなく、平均的です。

(2)ペン先、書き味

 ニブはガチニブで、しなりはほとんどありません。コリコリ系の書き味ですね。最近の万年筆は総じてガチニブですが、デュオフォールドの書き味はその中でもかなり独特の個性があります。好き嫌いが分かれる書き味でもありますので、試筆してから購入された方が無難かと思います。

 インクフローは良すぎるぐらいの潤沢さで、調整次第でいくらでもインクドクドクに出来ます。ニブにはバイカラーで、スペードのマークがデザインされています。ペン芯はフラットフィーダーで、シャープな横顔をしています。正直に言えば、これはあまり好きなデザインではありません。

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(3)センテニアルとインターナショナル

 デュオフォールドの多くには、センテニアルとインターナショナルの2種類が用意されています。センテニアルの方が軸が太くて長く、ニブも大きいです。

 →Parker 「デュオフォールド インターナショナル」 のレビュー

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 私がこのパール&ブラックを買う際、「どうせ買うなら、大きくて押し出しの良いセンテニアルだろう」と深く考えず、あまり試筆などをせずにセンテニアルにしました。しかし、個人的にそれはちょっと失敗だったかも、と思ってます。というのは、センテニアルの首軸の太さは、私の好みからすると、微妙ですが太すぎるのです。少しの文章を書くのなら良いのですが、私の万年筆を使う主目的である大量筆記を行うとなると、ちょっと首軸が太すぎて疲れるのです。

 どれぐらいの軸の太さが好みか、というのは人によって違いますので、私の体験が皆に当てはまる訳ではないでしょう。ただ、それなりに大きさが違いますから、どちらを選ぶかは、しっかり試筆してから選んだ方が良いと思います。

(4)キャップの穴

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 パーカーの万年筆らしく、キャップには穴が開いていますので、ペン先が乾きやすいです。分かりにくいですが、特徴的な矢形クリップの下に穴が開けられています。

 ただ、ソネットに比べれば、ニブやペン芯が大きいですからインク保持容量も多く、1~2週間ぐらい放置したとしても、書き出し掠れが生じる、といったことはありません。しかし、インクが煮詰まってインクが濃くなる、という症状は見られます。

 →キャップの穴を 「バスコークN 透明」 で埋める


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 それが気になるという人は、上のリンク先記事のように、自分でキャップの穴をふさぐこともできます。ただ、キャップの穴をふさいでいるせいか、キャップを開け閉めする負圧でキャップの天冠がスポッと抜けた、という話もネットで見たことがあります。

 もしキャップの穴をふさぐという場合は、そうした面も了解の上で自己責任で行いましょう。

(5)吸入時の注意

 前の項目で書いたとおり、ニブとペン芯は大きく、フィンも首軸内部にたくさん用意されていて、ペン芯のインク保持量はかなり大きいです。そのため、コンバータでボトルインクから吸入した時には注意が必要です。

 吸入式の万年筆やコンバータでインクを吸入する場合、2~3滴インクをボトルに戻して、逆さにしてペン芯のインクを吸う、という儀式をするのが定番です。その行為はしっかり行った方が良いです。それをしっかりしなかったために、ペン芯内のインクがボタッと紙に落ちるということが何度かありました。

 →パーカー デュオフォールドにおけるインクのボタ落ち

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(6)キャップの模様の途切れ

 非常に気に入っている軸の柄ですが、一つだけ気になることがあります。それはキャップの二重リングの上下で黒線がつながっていないことです。この辺りにまで気を配ってデザインしてくれれば個人的には嬉しかったのですが。

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(7)総評

 綺麗で人目を惹く、特徴的なデザインを持つ万年筆です。似たような柄の万年筆はありませんから、デザイン買いしても後悔しないと思います。もちろん、筆記性能も期待に応えてくれるだけのものはあります。ただ胴軸は太く、書き味は独特ですので、試してから購入された方が良いでしょう。

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※スペック一覧

・重さ 全体:28.5g キャップ:9.5g キャップなし:19g 首軸:6.5g
・長さ 全長:13.6cm キャップなし:12.8cm 後尾にキャップ:17.2cm
・太さ 首軸最小径:10mm 首軸最大径:11mm 胴軸先端:12mm 胴軸最大径:13mm キャップ:15mm

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「KING CROWN 孔子 克己復礼」のレビュー

 北京オリンピック記念の中国万年筆レビューの第2弾です。KING CROWNの孔子記念モデル 克己復礼、Mニブです。

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 KING CROWNというブランドはDUKEが出資して出来たものらしいですから、実質はDUKE万年筆と言っていいでしょうね。


(1)外観

 この万年筆の最大の特徴は、万年筆の中央部が竹で出来ていることです。
 竹軸と言えばセーラーの竹万年筆が有名ですが、セーラーとは違い、この万年筆は胴軸の中央部だけが竹軸です。竹万年筆としての竹らしさ、完全性という意味ではセーラーに劣りますが、首軸などが一般的な万年筆の形をしているだけに、使いやすい、持ちやすいというのはこちらだと思います。

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(2)ドルチェビータとの比較

 この万年筆は、全体的なフォルムがドルチェビータに似ていると思います。以下の写真はドルチェビータ・ミディアムと並べて撮ったものです。太軸の円柱形であること、キャップが黒いこと、胴軸の後ろのキャップがささる部分の形、などが似ています。

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(3)ペン先、書き味

159  ニブは大型の鉄ペンで、ガチガチです。書き味的にはごく普通の鉄ペン、という印象で、特筆すべき所はないです。インクフローは良く、問題はありません。
 首軸は金属なので、首軸部を持つ人や汗かきの人などは、滑りやすいと感じる恐れがありますので、注意が必要です。


 中央部が竹で、首軸が金属という構成のため、キャップをつけない場合、重心が前よりになるため、書きやすいという面があります。その一方、キャップは重めのため、キャップを後ろにつけて書くと、今度は一気に重心が後ろ目になります。
 自分の好みのバランスに合わせて、キャップをつけるかつけないかを選ぶと良いでしょう。


(4)デザイン

 "孔子記念モデル"の名にふさわしく、キャップには孔子の図柄が彫り込まれています。中国万年筆らしさが出ていて、良いと思います。

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 その反対側には「克己復礼」という孔子の言葉が刻印されてます「自分の欲望に打ち勝ち、社会の規範に従って行動すること。」という意味だそうです。

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 これは、万年筆に対する物欲を抑えよ、という私に対する戒めでしょうか。(^^;

161  天冠にも文字らしきものが見えます。クリップやキャップの上下にはグレカパターンが彫り込まれています。



(5)嵌合式

 キャップは嵌合式です。聞いたところによると、この孔子万年筆には新型があって、それは少しデザインが違い、またキャップはネジ式とのことです。ただ、詳細は分かりません。
 インクの吸入方式は両用式です。

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(6)付属品

 箱には孔子の絵と"仁者愛人"の言葉があります。そして、付属品として、"論語精選"が書かれた木製の巻物が付属してます。

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(7)総評

 竹軸に孔子の図柄という、中国らしさのある万年筆だと思います。
 低価格の鉄ペンらしく、書き味という点では平凡で、褒める点はあまり見あたりません。ですが、価格も高くはないですから、外見が気に入ったという場合や、中国らしさが感じられる万年筆が欲しい、という方にはオススメできます。

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※スペック一覧

・重さ 全体:61g キャップ:28.5g キャップなし:32.5g 首軸:11.5g

・長さ 全長:14.8cm キャップなし:13cm 後尾にキャップ:17.4cm

・太さ 首軸最小径:11mm 首軸最大径:12mm 胴軸先端:15mm 胴軸後端:12mm キャップ:16mm

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ペン先を引き抜くことの危険性と弊害

 万年筆の調整や改造を行う場合、ペン先を引き抜くことが必要になる場合があります。しかし、ペン先を引き抜くことにはリスクやデメリットがあります。

 基本的に、ペン先は必要がなければ引き抜くべきではありません安易な気持ちや好奇心で引き抜くのは避けた方が無難です。もし引き抜くのであれば、以下のデメリットを考慮の上で、すべて自己責任で行いましょう。

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(1)ペン先の入りが緩くなる

 まずデメリットの一つは、ペン先の入りが緩くなることです。一度もペン先を引き抜いていない場合、ペン先は首軸にガッチリと固定されており、ぐらつくことはありません。しかし、一度でもペン先を引き抜いた場合、ペン先の固定具合が緩くなります。何度も引き抜いていると、その内にペン芯ズレといった問題が生じたりします。

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 私の経験から言って、最もこの問題が顕在化しやすいのが、パイロットとアウロラです。パイロットは、元々差し込み具合が緩めの上、首軸内部に型がつけられていないので、ペン芯ズレが生じやすいです。アウロラは、首軸内部に型はつけられていますが、ペン芯の方が全く型がつけられておらず、しかも丸型なので、ペン芯ズレが生じやすいのです。

 またマーレンは、首軸内に入り込んでいるニブの長さが他のメーカーに比べると短いです。そのため、マーレンはペン芯ズレを起こしやすいです。首軸内に入り込んでいる部分のニブの長さも、この問題に大きく関わっています。


 ペン先を抜く場合、特に初めての引き抜きの場合、とても固くて抜くのに力を要します。その時に力を加えすぎたり、適切でない方向(左右方向)から力を加えたり、不適切な方法・道具を使ったりした場合、ニブが変形したり傷が付いたりします。見た目が悪くなるという問題の他、最悪の場合はインクが正常に出なくなって万年筆として使えなくなる、という可能性すらあります。

 →ゴム板は、万年筆のメンテなどに何かと便利


(2)ペン先のコンディション・書き味の悪化

 これは(1)と関連する内容です。ペン芯ズレが生じると、ニブに段差が出来ます。そうすると紙の上で引っかかるようになってしまいます。また、ニブが変形した場合、ニブとペン芯の間に隙間が出来て、インクが途切れたりします。ニブの変形により、ニブのスリットが締まりすぎたり開きすぎたりしても、適切なインクフローが得られなくなってしまいます。

 ペン芯とニブは、適切な位置にセッティングされて出荷されています。ペン先を引き抜くという行為は、そのコンディションを変えてしまう恐れのある行為ですから、安易に実行すべきでないことだと言えます。


(3)ペン芯のフィンを倒す、破壊する

 ペン先を抜く場合、ニブとペン芯とをゴム板などで挟んで抜くか、あるいはノックアウトブロックで後ろから叩き出したりします。特に前者の場合、その時にペン芯の外側に露出しているフィンを倒してしまったり破壊してしまったりすることがあります。

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 上の写真は、私が"やらかしてしまった"ペン芯です。アウロラのオプティマのペン芯ですが、何度も抜いたりしている内に、フィンに力が加わっていたらしく、ある時にフィンの一枚がポロッと取れてしまいました。フィンの一部が欠けてしまったからといって、全く使えなくなる、というわけではありませんが、外観の美しさが損なわれますし、またペン芯の機能が最大限に発揮されなくなってしまいます。


(4)メーカ保証が受けられなくなる

 各万年筆メーカの保証規定がどうなっているのかは詳しくは知りません。しかし、常識的に考えて、ペン先を引き抜くなどの行為を行った場合は、保証対象外となると考えるのが妥当でしょう。

 ペン先をいじったり削ったり改造したりした上で、ダメになったらメーカに泣きつく、というのはやってはならないことだと考えます。ペン先を引き抜くなどの行為を行う以上は、すべて自分で責任を負う、壊れたりしても後悔しない、という覚悟の上で実行すべきです。また、いじってダメにした万年筆を、補足説明なくオークションなどで売ったり、ペンクリの世話になるというのも、マナー違反と言えます。

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 ここまで、ペン先を引き抜くことのデメリットを色々と書いてきました。ペン先を抜く場合は、これらを覚悟の上で実行しましょう。

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ペリカン M800 デモンストレーター (その2)

 

1495  以前の記事で言及したM800 デモンストレーターですが、文栄堂の商品ページを見てちょっと驚きました。M800デモンストレーターはM205の時とは違い、透明な胴軸に各部位の説明が文字で刻印され、機構の仕組みが分かるようになっているんですね。今から見返すと、そのことに言及していたBlogもあったようですが、完全に見落としてました。(^^;

 元々デモンストレーターというのは、万年筆の吸入機構を店頭で客に説明するためのものですから、ある意味、これは正しいあり方と言えます。もっとも、今回の説明刻印は、装飾的な意味が強いのでしょうけれども。


◆ユニーク

 う~ん、こういう他の万年筆にはない特徴というのに私は弱いです。このM800 デモンストレーターは完全スルーの予定でしたが、多少興味が出てきました。個人的には、もっと文字の刻印を目立たせた方が格好良いとは思うんですが、いずれにしても、実物を見てからですね。

 発売はすこし先の10月ですから、資金のやりくりも余裕を持ってできます。私はペリカンはM300系とM800系は持っていないので、一応実物チェックはしようかと思います。

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"ゴールドプレート"という表記は紛らわしい

 万年筆業界では、ペン先を表す表記として、14金や21Kといった言葉がよく使われますが、その中に"14K ゴールドプレート""14K GP"といった言葉もよく見られます。以前から思っていましたが、この表記は少し紛らわしく、初心者泣かせと言えるでしょう。

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■イメージ戦略?

1522  万年筆に限らずアクセサリー類にもよく見られる表記ではありますが、そうした表記に慣れていない人が、ゴールドプレート表記のニブを金ペンと誤解する例がネットなどで散見されます。確かに英語では金メッキを"gold-plated"と書くとは言え、紛らわしいでしょう。メッキと書くと安っぽいイメージがありますから、ゴールドプレートと表記されるのでしょうね。

 ゴールドプレートと表記するのであれば、最低限、"ステンレス+14Kゴールドプレート"のように鉄ペンであることを明示すべきだと思います。ある程度慣れた人なら、単に"14K GP"と書かれているだけでも、鉄ペンだと理解できますが、それだけの表記では初心者が勘違いするのも仕方がないと言えるでしょう。そういう紛らわしい書き方はなくして欲しいところです。(特にオークションでよく見られます。)


 また、「プレート=板」というイメージから、ゴールドプレートはメッキよりも金が厚いと思っている人もネットで見られました。それは間違いで、メッキですから薄いです。厚く金が張られている金張りの方は、英語で"gold-filled"と呼びます。参考として、万年筆関連の用語の日英対照表が記されているWebページにリンクを張っておきます。

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「DUKE チャップリン」に「デスクペン ペンジ」のニブをつける

 先日の記事"「DUKE チャップリン」のレビュー"でも言及していましたが、DUKE チャップリンについていた中細字のニブは、細字好きの私には太すぎましたので、ニブを換装しました。

 チャップリンについていたニブは小さめで、デスクペン ペンジのニブと同じぐらいの大きさなので、苦労なく換装できました。

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 とはいえ、多少の削りは必要でした。ただ、マーレン21の時ほど削りは必要なく、ニブの厚み半分ぐらい削るだけでOKでした。
 削る作業はもう何度もしてきただけに、ライトを当てて確認しつつ、15分ぐらいで全作業は終了です。

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 全体がシルバー系なので、ちょっとニブの金色が浮いているのが難点です。sweat01
 同じシルバー系に統一するなら、ペン習字ペンのニブを使うか、プレラのニブを使うかすればいいでしょう。ただし、ペン習字ペンは安いですがEFニブしかなく、またプレラはFがありますが価格が高いので、その点には留意する必要がありますが。



 前回のレビューで書き忘れましたが、このチャップリンのペン芯は、低価格万年筆ということもあってか、かなーり単純な構造です。見事なまでの一本筋です。

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 それほど高性能なペン芯ではないですから、あまり渋いインクの使用には向かないかもしれません。
 私自身は極端に渋いインクは使わないこともあって、今のところ、インクフローが渋かったり途切れたりする問題は生じてないです。

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「DUKE チャップリン」のレビュー

 DUKE チャップリン(卓別林)万年筆、中細字です。

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 北京オリンピック開幕記念、ということで、中国万年筆をレビューしたいと思います。第一弾は DUKE チャップリン です。何故中国万年筆でチャップリン?と聞いては多分負けなんでしょう。(汗)


(1)外観

 このチャップリン万年筆は、太軸、重め、短軸のずんぐり型です。ブラスベースで、重い万年筆が好きな人に合っていると思います。
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 短軸ですから、キャップをつけて書くか、つけないで書くか、は大きな違いがあります。キャップをつけない場合、短すぎる、と感じる恐れがありますし、キャップをつけた場合、今度は重すぎる、と感じる恐れがあります。
 ですから、その辺りのバランスで、どっちもしっくりこない、と感じる恐れはあります。


(2)ペン先、書き味

139  22kゴールドプレートのペン先はまずまずの書き味ですね。中細字のペン先は私の好みからすれば太めだったので、速攻で換装してしまいましたが。(^^;


141_2  この万年筆で問題となるのは、首軸部と胴軸部をつなぐ辺りの急勾配です。
 斜めになっている上、つなぎ目は金属で出来ていますから、やや滑りやすいです。

 首軸先端部、あるいは胴軸部を持つ人なら問題ありませんが、首軸と胴軸のつなぎ目を持つ人の場合、急勾配で持ちにくく感じる恐れがあります。
 実際に私がそうです。私は大体の万年筆でネジが切られた辺りを持ちます。ですから、少し持ちにくいと感じます。

 ですから、その辺りを持つ人は注意が必要かもしれません。


(3)嵌合式

 キャップは嵌合式で、"パチン!"という大きな音で嵌ります。私が持つ嵌合式万年筆の中で、一番大きな音がします。ただ、不快な印象はないですね。
 胴軸の後ろに嵌めるときもカチッと固定されるタイプです。

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(4)首軸リングのデザイン

 首軸リングには、チャップリンをイメージした、蝶ネクタイ・革靴・帽子とステッキがデザインされています。
 このデザインは結構秀逸で、かなり好きです。

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(5)コンバータ

 コンバータは短軸万年筆らしく、普通のDUKE万年筆よりも短めのタイプがつけられています。しかし、インクの入る量は同じぐらいです。

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(6)問題点

142  キャップの内側をよく見ると、数カ所でメッキの剥がれが見えます。外から見えないところとは言え、マイナスポイントです。



(7)総評

 中央部がふくらんだ独特のデザインと首軸リングのデザインが印象的な万年筆です。
 私が万年筆を持つ位置が急勾配にデザインされているために、やや持ちにくく、長時間の筆記には向かないのが残念です。ただ、外見やデザインのユニークさは結構お気に入りで、それなりに気に入っている万年筆です。

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※スペック一覧

・重さ 全体:76g キャップ:37g キャップなし:39g 首軸:14.5g

・長さ 全長:12.8cm キャップ付き:14.8cm キャップなし:11.0cm

・太さ 首軸先端:11mm 首軸後端:12mm 胴軸先端:15.5mm 胴軸後端:12mm キャップ先端:17mm キャップ後端:12mm

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ペリカン M800 デモンストレーター が発売に

 以前から情報は出ていましたが、アウロラのオプティマ・デモンストレーターに続き、M800にも透明軸のデモンストレータが発売になりますね。


■時代は透明軸?

 それにしても、透明軸のデモンストレータがえらく続きますね。M205デモンストレーターの売れ行きが良かったことが原因でしょうか。

 しかし、オプティマ・デモンストレーターの時にも書きましたが、完全透明なのが残念です。個人的には、色つきのデモンストレーターの方が好きです。
 例えば、文栄堂の瑠璃とか、三越限定万年筆 ダンデライオンとかです。せめて透明にするなら、ヴィスコンティのオペラ マスター デモ レインフォレストのように、模様などをつけて欲しいところです。

 完全透明なのは、M205やカスタム74透明のように、1万円台の万年筆に似合う気がします。


■国産に期待

 そういう凝ったデモンストレーターを国内の万年筆メーカから出してくれれば、細字好きとしてはメッチャ嬉しいのですが。パイロット90周年記念の追加として、出てくれないかな~、と妄想。

(08/14 追記) 追加の記事として、ペリカン M800 デモンストレーター (その2)をアップしました。

(09/15 追記) パイロット90周年記念として、ミュー90の発売も決まりました。

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英雄のスライド式コンバータ

 「DUKE(公爵)のコンバータの謎」という記事の、どーむさんのコメントを見て、最近スライド式コンバータを手に入れていたのを思い出しましたので、それを紹介します。

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 中国万年筆メーカの英雄のスライド式コンバータです。
 このコンバータは、入るインク量がどう見ても少なそうだったのと、スライド式というのが安っぽく見えて、道具箱に放り込んだまま、まだ使ってません。
 よく見ると、DUKEのコンバータと同じく、スプリングが入ってますね。

 パーカーのスライド式コンバータは所有していないので分からないのですが、英雄はパーカー51などに似た万年筆を作っていた経緯から見て、これも真似っこなのかもしれません。

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 英雄という漢字表記が入っているのが中国万年筆らしくて独特ですね。

※余談

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 ちなみにこれは、英雄の中押し式コンバータです。パイロットのCON-20と同じ仕組みで、ペコペコ押すことで、中のサックにインクが吸入される仕組みです。CON-20に比べると大きめなので、結構インクが入ります。

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 上が英雄のコンバータ、下がパイロットのCON-20です。

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パイロット 90周年記念 「朱鷺」・「螺鈿朱鷺」が発売に

 パイロットの90周年記念万年筆の情報が出てきてますね。
 蒔絵万年筆で「朱鷺」と「螺鈿朱鷺」の2本です。masahiro万年筆製作所さんのところでパンフレットが見られます。


◆蒔絵万年筆

 私はまだ蒔絵万年筆を一本も持っていませんが、そろそろ一本買おうかと思っているところです。この90周年記念は一つの候補ではあるのですが、126,000円と10万円越えなのはちょっとキツいです。私は物欲の歯止めとして、定価10万円以上の万年筆は基本的には買わない、というラインを一応定めているので、相当に物欲が刺激されないと、10万円以上の万年筆は購入には至らないです。


◆飛翔天人と比べると…

 この90周年記念の万年筆は、私のあまり好きではないバランス型ではなく、また丸玉クリップではありません。また蒔絵やリングのデザインも。とても良いと思います。

 でも…でも…、やっぱり85周年記念の「飛翔天人」とどうしても比べてしまいます。あっちの方が派手ですし、細工も凝ってると思います。
 まあ、飛翔天人は完全に原価割れで、採算無視で作ったという話ですから、今回の90周年記念と比べる方がいけないのかもしれません。しかし、どうしても心の内で比較してしまいます。


 う~ん、飛翔天人が発売されたときは、私は蒔絵に一切興味がなかったんですよね。タイムマシンがあれば、5年前に戻って飛翔天人を買ってくるんですが。(汗)


◆90周年記念は打ち止め?

 それにしても、パイロットの90周年記念の万年筆はこれだけなんですかね。3~7万円ぐらいの、より手を出しやすい普及価格帯の限定品を出して欲しいというのが正直な気持ちです。

 (09/04 追記) パイロット90周年記念として、「ミュー90」も発売になりました。

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Googleマップにストリートビューが追加

 今日8月05日に、日本版Googleマップにストリートビューが追加されました。本国アメリカではすでに行われていたサービスですが、日本でも、一部地域(関東、関西、仙台,、札幌、函館)に限ってですが、サービスが始まりました。

 私の行動範囲である関西でもサービスが開始されましたので、万年筆が買える主だった店舗の外観をアップしてみます。

阪神百貨店
ヨドバシカメラ
なんば 高島屋
東急ハンズ 心斎橋店
心斎橋 そごう
近鉄百貨店
京都伊勢丹
モリタ
Pen and message.


 ちなみに、私の家もばっちり写真に撮られていました。近所の工事中の家の進捗具合から見て、一ヶ月ぐらい前に撮られていたようです。このようなカメラを積んだ車で走り回って撮影されているようです。

 "Google Earth"の方でも、ストリートビューは使えます。こちらの方がエフェクトが凝ってます。また、ストリートビューを全画面表示できますから、Google Earthの方がストリートビューを見るにはオススメです。


 この機能は、便利と言えば便利なのですが、ここまで詳細に映されると怖くもありますね。アメリカ本国では訴訟も起こされているようですが、それもよく分かる気がします。

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「マーレン21」に「デスクペン ペンジ」のニブをつける

 MARLENのマーレン21 Fニブです。

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 この万年筆に「パイロット デスクペン ペンジ」のFニブをつけます。改造するに至った経緯や他の改造については、このINDEXページを参照してください。


 このマーレン21ですが、デスクペン ペンジのニブがつけられる前には、プロフェッショナルギア スリムのFニブ、ヤングプロフィットのFニブをつけていました。
 プロギアスリムのFニブは他の万年筆の改造用に転用し、ヤングプロフィットのFニブは、長年の使用によりペンポイントの摩耗が激しすぎたので、結局デスクペン ペンジのニブをつけることに落ち着きました。


 デスクペン ペンジはなんと言っても1000円と安いですから、小さいペン先の万年筆につけるには最適です。ですから多くの万年筆にこのニブをつけてきました。
 ただ、このマーレン21につけるには必要な削り量が半端じゃなく必要でした。

129  まず、マーレン21とデスクペン ペンジのニブとを比べると、湾曲率がかなり違いました。
 無理矢理押し込んでも良かったのですが、ペンチを使って、より湾曲させてやりました。
 この時、あまり力を入れすぎるとグニャッと曲がりすぎる恐れがありますから、注意が必要です。私の場合も、理想よりは少し曲がりすぎましたので、修正が必要でした。


 次に、首軸内径の削りです。以前にデスクペン ペンジをつけた他の個体と比べても、マーレン21の個体は首軸内径が小さく、そのためにかなりの削りが必要でした。削っても削っても入らない、ということで、相当に削ってようやく装着できました。
 削った後は、粗さの細かいサンドペーパーで磨いておきます。

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 それだけ削ると、出る削りカスの量もかなりのものです。きちんと洗浄して、削りカスを残さないようにすることが大切です。削りカスが残ったままだと、ペン芯のスリットにたまるなどして、インクが出なくなるといったトラブルの原因になります。インクを吸入する時に、インクボトルの中に削りカスが落ちたりするのも良くないと言えます。

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 十分に削った後は、ペン芯にペンジニブを載せて、押し込むだけです。

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 削りに削った末の改造でしたが、できあがりには満足です。
 ただ、ここまで削ると、元のニブに戻す、というのは現実的でありません。多量に削る必要のあるニブの付け替えを行うときは、実行前に熟考した方が良いと思います。

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Blogのデザインいじりたい病が発症中

 以前の記事に書きましたように、CSSを追加してブログのテンプレートを好きなデザインに変えられることが分かりました。それ以来、デザインをいじりまくって、なんだか原形をとどめなくなってきました。(^^;

 私は昔、ブログというものが影も形もなかったインターネット黎明期に、自作のホームページを作って運営していたことがありました。その頃はホームページ作成ソフトなんてものがありませんでしたから、みんながエディタでHTMLを直に手打ちしていたものです。昔はCSSもありませんでしたから、テーブルを使いまくってデザインしていたのも懐かしい想い出です。

 今回、CSSをいじれることが分かってから、その頃の血がうずいてきました。まあ昔に比べれば、社会人になったので時間をかけられなくなってますが、デザインをあれこれ替えるのは結構楽しいです。 もっとも、なんだかやり過ぎ風味になってますね。あんまり派手派手になって、可読性が落ちる前にストップをかけなければいけません。でも私は万年筆もそうなんですが、派手な外見が好きなので、どうなるでしょうか。

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吸入式万年筆のインク吸入量が少ない理由

 『趣味の文具箱 vol.11』 には、コンバータ、カートリッジ、吸入式万年筆のインク容量の調査が載せられています。そこで意外に思ったのが、ペリカンのスーベレーンのインク吸入量です。「M400>M800>M1000」となっているんですよね。私はずっと、M400~M1000のインク吸入量は全部同じに設定されていると思いこんでいたので、これは意外な結果でした。(※もっとも、測定誤差という可能性もあるのですが)

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◆インク吸入量が少ない理由

 一般には、M1000などの大きな吸入式万年筆は、多くのインクが吸入されるんだろう、と漠然と思っている人がたまに見られます。しかし実際は、大きな太軸の吸入式万年筆でも、吸入できるインク量は控えめに作られています。これには理由があって、それはインクのボタ落ちを防ぐためなのです。

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 吸入式のインクタンクが大きくなると、インクが少なくなったときに、インクタンク内の空気の量も多くなります。すると、持ったときの手の熱や気温の変化、気圧の変化などで、インクタンク内の空気が膨張し、結果としてインクがペン先から吹き出てしまう、という事故が発生しやすくなります。そうした事故はクレーム対象となりますから、メーカー側はあまりインクタンクを大きくしたがらないのです。

◆インクの吸入量が増やせる工夫

 『趣味の文具箱 vol.11』で最もインクが入る吸入式万年筆として挙げられていたのは、パイロット「カスタム823」です。カスタム823は、尾栓を開けて初めてインクタンクからペン先にインクが供給されるシステムだからこそ、あの大容量を実現できている、という面があるのです。尾栓を閉めた状態ではインキ止め式のようにインクタンクと首軸が物理的に遮断されていますから、気温や気圧の変化でインクがペン先から吹き出る心配はありません。

 →パイロット「カスタム823」を購入した

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 大容量インクタンクでもペン先からインクを噴き出させないようにするシステムは他にもあって、ヴィスコンティの「ダブルタンク・パワーフィラー」がそれに当たります。ちょうど、ブログ「カフェイン依存症気味なエンジニアの雑記」さんがその仕組みを備えた万年筆を購入された所です。

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 このダブルタンク・パワーフィラーという機構では、インクタンクが二つに分かれ、尾栓を閉めると後ろのメインタンクが手前の小タンクから遮断されます。これにより、メインタンク内の大量の空気が膨張してもインクが吹き出る恐れはありません。それに加え、カスタム823のように「筆記する度に尾栓を開ける」という作業も必要ありません。小タンク内のインクがなくなった時に尾栓を開けて、メインタンクから小タンクにインクを移動させればいいわけです。


 以下の公式サイトのアニメーションで、仕組みがよく分かります。(※右下の NEXT をクリックしてください。)

 →Double reservoir power filler (Visconti 公式サイト)

 この仕組みは、カスタム823の機構の「栓をする場所を後ろにした」とも言えます。説明されてみれば単純なことなのですが、効果は絶大です。コロンブスの卵的な発想と言えるでしょうか。


 その一方で、レシーフクリスタルのように、"気圧や気温の変化なんて知ったことか" 的な万年筆もあります。また、自己責任でピストン位置を調整して、たくさんインクが入るように改造する、という人もいるようですね。

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『趣味の文具箱 vol.11』 雑感

126  遅まきながら、『趣味の文具箱 vol.11』を購入して読みました。

 直接に万年筆と関わりがあるわけではありませんが、シルバー製品メーカのカーズ社の工場訪問記は個人的に興味深くて、面白く読みました。
 個人的にはマーレン辺りの訪問記が見たいですね。


 "読者の改造記"紹介は感心することしきり。胴軸をオリジナルで作るなんて私なんかにはとても出来ないことですから。
 パイロットのカスタム743の胴軸を改造してらっしゃるサイトはこちらから。→"万年筆 ハンドメイド オーダーメイド オリジナル Center-G"

 一方、シルバーのいぶしの記事は、いずれ自分でも書こうかと思っていたので、先に書かれてちょっともにょったり。(汗)


 ペン先調整の話は、それなりに興味深かったですが、さすがに切り割り調整は寄せの話だけでしたね。

 どちらかと言えば、寄せよりも切り割りを広げる方が、知りたいと思う人が多いのではないでしょうか。でも、切り割りを寄せるのに比べれば、広げる方がはるかに失敗するリスクが高いですから、雑誌に載せるのはさすがにためらわれたのですかね。

 私は切り割りを広げるのは完全に自己流でやってますが、恥ずかしながら失敗した経験もあったり。プロなど他の人がどうやっているのか、知りたかったのですが、ちょっと残念です。


 掲載されている万年筆で、私が一番欲しいと思ったのは、サイドリバーオリジナル万年筆のハーモニー(Harmony)ですね。
 ああいうかわいらしい万年筆も好みです。

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