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「セーラー グランザス ネオ」のレビュー

 セーラーからグランザスの第二弾として発売されたグランザスネオです。

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(1)シルバー + ロジウムプレート

 胴軸はスターリングシルバーの上にロジウムプレートが施されています。

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 ロジウムプレートするのであれば、下地をシルバーにする意味がないのではないか、と考えがちですが、一概にはそうは言えません。ロジウムは高価ですから、どうしてもメッキ厚は薄くせざるを得ません。そのため、下地が真鍮の場合、曇った様な質感になったり、彫刻の凹凸部の耐久性に問題が出たりします。それに比べ、スターリングシルバーにロジウムメッキを施した場合、より美しく、耐久性のある仕上げに出来るというわけです。

 もちろん、下地をシルバーにすると高価になりますから、豪華仕様というわけです。

(2)フローレン彫刻

 胴軸は、フローレン彫刻が施されたデザインです。不規則にざらつかせた様な感じですね。このデザインは、結構好みが分かれるんじゃないでしょうか。ロジウムの独特の光り方を生かした彫り方とも言えませんし。

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 私自身は、手持ちの万年筆とは異なる、独特のデザインという点で気に入っています。私はたくさん万年筆を持っていることもあって、他に類例のないユニークさ、というのを何より重視しますから。ただ、光り方を重視するのであれば、プロシックの方がいいかもしれません。

 →「セーラー プロシック」のレビュー

(3)ペン先、書き味

344  ペン先はプロフィット21などと同じく、セーラー21kです。どうも私はセーラー21kと縁が深いようで、これで5本目の21kニブです。

 それにもかかわらず、私はセーラー21kの書き味は少し苦手です。どうも扱いにくく感じ、綺麗な字が書けないのです。その理由については今ひとつよく分かっていません。ただ、ニブの大きさと穂先の長さが原因ではないのかと仮説を立ててます。詳細な考察を書けるほど、私の考えも煮詰まってませんので、いずれまた独立した記事としてアップしたいと思います。

 ニブの刻印はプロフェッショナルギアと同じです。限定品なのですから、特別な刻印があった方が嬉しかったのですが、その点は残念です。

(4)軸バランス

 グランザスネオの特徴として、胴軸が金属軸である一方、キャップが樹脂軸ということも挙げられます。そのために、キャップを後ろに嵌めても、全体が重くなりすぎず、また重心が後ろにいきすぎない、というメリットがあります。

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 こうした構造には一定の利があります。特にペン先に近い側を持って、立てて書く人にとっては、扱いやすいと言えるでしょう。ただ、現行の万年筆を見回しても、意外とこういう構造の万年筆は少ないんですよね。手持ちの中だと、マーレン21ぐらいです。ペリカンのM800やM1000も近い意味合いがありますが、あれは胴軸後端のピストン部が重い構造になってますから、重心が十分に下の方に行くというわけでもありません。


 そうしたメリットがグランザスネオにはあるわけです。しかしその一方で、グランザスネオはその利点を十分に生かせない問題点があります。それは、キャップの嵌りが緩めだということです。ロジウムメッキが施されている故か、滑りやすく、ガッチリと嵌らないのです。胴軸の後ろに全くさせない、という訳ではありませんが、少しの力で外れますので、筆記していてもどうしても気になります。摩擦でロジウムメッキが剥がれる恐れとも考え合わせると、後ろにはキャップはささない方がいいかもしれません。

 というわけで、せっかくの独特の構造も生かしにくいと言えるでしょうか。

(5)キャップ、その他

 キャップや首軸は、クリア風味の紫色です。この色合いは結構私の好みで、かなり気に入ってます。

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 なお、キャップや首軸、胴軸などすべてのパーツは、ノーマルのプロフェッショナルギアと同サイズです。

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 キャップはネジ式で、インクの吸入方式は両用式です。
 また、購入するとインクが一瓶ついてきます。

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(6)総評

 スターリングシルバーにロジウムプレートが施された、独特の胴軸デザインが特徴の万年筆です。見た目が気に入ったという人なら、買いでしょう。

 キャップ周りの仕様は少し残念ですね。ロジウムプレート故に仕方がないですかね。でも色合いについては、買う前は期待していなかっただけに、思わぬ収穫で、結構気に入ってます。

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※スペック一覧

・重さ 全体:36g キャップ:9g キャップなし:27g 首軸:7g
・長さ 全長:12.7cm キャップなし:11.5cm 後尾にキャップ:15cm
・太さ 首軸最小径:10mm 首軸最大径:11.5mm 胴軸最大径:13mm 胴軸最小径:9.5mm キャップ先端:15mm キャップ後端:11mm

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コメント

おお~、おめでとうございます。\(^o^)/
私は、元祖グランザスがあるからいいや(汗)
セーラーのグランザスやマイカルタは私的には
ちょうど良い具合です。
ちょいと乱暴に使っても壊れる雰囲気がない
のが良いです(^^;
ただし、グランザスは筆記時にちゃんとはめて
おかないとキャップが外れやすいのが難点で。

投稿: ZEAK | 2008年10月27日 (月) 21時12分

 ZEAK さん、こんにちは。

 グランザスネオの方は、元祖に比べて高価になってますしね~。元祖を持っていれば、スルーが賢いかもしれません。
 マイカルタは個人的には欲しいのですが、私が本格的に万年筆の道に入ったときには、もう売り切れだったんですよね。まあ、これ以上セーラー21kを増やすのもどうか、という気はしますが。(^^;
 グランザスネオのキャップは、あんまりキツく嵌めると、胴軸のロジウムプレートが剥がれそうで怖いです。結局、他のと同じように、キャップを嵌めないで筆記することになってます。

投稿: もきゅすけ | 2008年10月28日 (火) 18時42分

あれ?どーむのはすごくきれいにしっかりキャップが嵌るんですが、当たりなのかな?
グランザスは華やかな外観と実用性を両立しているのがうれしいです。Bにしちゃったので手帳なんかには使えませんが、持ち歩いてガンガン使ってます。

投稿: どーむ | 2008年10月31日 (金) 22時04分

 どーむ さん、こんにちは。

 私のは、どうも外れやすいのが気になってダメですね。もしかしたら、持つ位置との絡みかもしれません。私の場合、キャップが胴軸にはまる辺りに手が当たるので、手の動きでキャップが外れやすいのかも。
 キャップが全くつかないわけでなく、少し緩い、というぐらいの感じなので、印象の違いが生じているのかもしれませんね。

投稿: もきゅすけ | 2008年11月 1日 (土) 08時39分

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