スーベレーンにおける縞軸の新旧の違い
ペリカン万年筆と言えば、スーベレーンの縞軸が代表的です。この縞軸は、時代によって色合いなどの見た目に少し変化が見られます。
■見た目の違い
スーベレーンの縞軸は、プレキシグラスの透明板と色板を重ねて圧縮し、縞模様になった断面を薄く切り、丸めて作られます。そうした複雑な工程を経て作られるが故の味というものがあるわけですが、時代によって微妙な違いが生じています。
私が持つ縞軸は、M600とM1000の二本です。M600に比べ、M1000の方が数年後に買ったものですが、その二本には軸に違いがあります。その違いは、ちょうどペリカン万年筆がマレーシア資本になった頃に生じたようですが、その時期をまたいで購入したみたいです。
昔の縞軸は、色合いにムラがあり、均一ではありません。それに比べれば、新しい方は色合いが均一で、光沢もあります。
また、昔の方は軸を丸めたときのつなぎ目が、ほとんど分からないぐらいに目立たない個体が多いのですが、新しい方は、つなぎ目が比較的目立つ個体が多いです。
この変化が何に由来するのかは分かりません。製作法の違いか、あるいは原材料の違いか、詳細は不明です。ただ、ネットなどの話を見ても、この変化は私の持つ個体だけでなく、一般的に見られる傾向であるのは確かです。
■どちらが好きかと言われれば…
昔の軸にも新しい軸にも、それぞれ別の功罪があります。どちらが好きかと言われれば、私は昔の方が好きですね。昔の方が手作り感があって、味わい深いと感じます。新しい方は、ぱっと見は光沢があって綺麗なのですが、のっぺりしている印象です。
もちろん、新しい方が全くダメというわけではありません。私には懐古趣味はあまりないですし。ただ、天冠の彫り問題も含めて、手作り感が感じられる方が私の好みですね。
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コメント
スーベレーンのしましまは、その都度雰囲気が変わる
って聞いたことがありますが、この写真だと色が結構
違いますね。
投稿: ZEAK | 2008年11月 4日 (火) 17時47分
ZEAK さん、こんにちは。
見た目はだいぶ違いますね。光を当てたときに綺麗なのは今のモデルなのですが、ちょっと、のっぺりした印象が強いのが難点です。パット身は今の方がいいんですが、長く見てると昔のタイプの方が好ましく思えます。
投稿: もきゅすけ | 2008年11月 5日 (水) 23時42分