多条ねじについて
前回の記事で、ネジ式万年筆においてキャップを閉めるときに必要な回転数をまとめました。だいたい、1~2回転の間というのが主流でしょうか。少ない回転数で楽にキャップが開け閉めできるように設計されてます。
しかし、ねじ山を見ると、何回転もねじが切られていて、そのように少ない回転数で開け閉めできるのは、一見すると不思議に思えます。調べてみたところ、その秘密はねじが多条ねじになっていることにあるようです。多条ねじについては、以下のページで詳しく解説されています。
→多条ねじ 四条ねじについて (masahiro万年筆製作所 内野成広の 「万年筆への情熱」)
■一回転弱辺りが理想
例えば、ペリカンの「自然の美観シリーズ ナイアガラの滝」の場合、わずか7/10回転でキャップが開け閉めできます。胴軸を見ると、約4重弱のねじが切られています。そして4条ねじになっており、そのために、約半回転でキャップが閉められる訳です。
それに比べると、ボーテックスや英雄H1001Aは一条ねじとなっており、それが開け閉めに多くの回転を必要とする原因になってます。
実際に使っていても、2回転以上はやはり開け閉めが面倒だと感じますね。とはいえ、ナイアガラの滝のような半回転というのはさすがにやり過ぎ感があります。安定感がないですし、意図しない状況で外れそうで不安があります。1回転と少しというのが、個人的にはちょうどいいぐらいに感じます。
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コメント
手持ちので試してみました。
・凸ペン:1.5回転
・Sheaffer No Noncense:1.5回転
・プロギ:2回転
・カトウセイサクショ・グリーンのきらめき:2.5回転
・KAGEILU:3.5回転
感覚的なものであんまり気にしてなかったですけど、だいぶ違いがありますね。
こればっかりは調整できませんね。
投稿: zero-52 | 2008年12月19日 (金) 02時24分
zero-52 さん、こんにちは。
情報ありがとうございます。(^^) デコペンというのはふでDEまんねんのような形の万年筆ですね。話には聞いたことがあります。私自身は細字好きなので、ああいうのは苦手だったりします。どちらかと言えば、逆向きのポスティングの方に興味があったり。
プロギアの方は、微妙ですが"1 10/12"回転にまとめさせてもらってます。グリーンのきらめきはえらく回転数が多めなんですね。
KAIGERUは、モデル名は分かりませんか。種類が多そうですので。(^^;
キャップの回転数の大小は、買うときには普通は気にしませんし、カタログ等にも載ってないものですが、けっこう使い勝手に直結しますから、重要なんですよね。嵌合式とネジ式の違いといい、キャップ周りの情報は乏しいのが残念です。
投稿: もきゅすけ | 2008年12月19日 (金) 12時05分
デコペン、反対向きで書くと超細字になりますよ。
使い分けてます。
KAIGERUはK316ってやつです。
回転数って製造時期によっても変化するもんなんでしょうかね。
投稿: zero-52 | 2008年12月19日 (金) 21時02分
zero-52 さん、こんにちは。
手間を取らせてすいません、助かります。
>回転数って製造時期によっても変化するもんなんでしょうかね。
どうなんでしょう。私自身、基本的に現行品ばかり持っていて、あまり同モデルの製造時期違いというのを持っていないので、よく分からないです。ヴィンテージにはとんと疎いもので。(^^;
まあ、中国万年筆などの場合はあまりにもモデル数が多すぎて、よく分からない面もあるのですが。
投稿: もきゅすけ | 2008年12月20日 (土) 00時29分