ペリカン万年筆で、ペン先のロジウムメッキがハゲた
え~、誤解されるといけないので最初に書いておきますが、これは自業自得の話です。(^^; 記事タイトルにあるように、ナイアガラの滝のニブ先端部で、ロジウムメッキを不注意で剥いでしまいました。
※この記事には危険な改造ネタが含まれています。
万年筆自体を駄目にしてしまう恐れがある行為ですから、安易に真似されない方が良いと思います。
▼細さの追求の行き着く果ては
ペリカンの自然の美観シリーズ「ナイアガラの滝」は、18kのニブがロジウムメッキされています。シルバーを基調とした胴軸に合わせてのデザインで、調和が取れています。ところが先日、ナイアガラの滝のペン先をいじっていたときに、金磨き布でニブ上面のロジウムメッキを一部剥がしてしまいました。
改めて書くまでもなく、私は筋金入りの細字好きです。舶来万年筆のEFやXFでも太すぎると感じるため、禁断の手法に色々と手を出しています。一つが、このブログで書いてきたように、舶来万年筆のペン先を国産ニブに換装するという改造です。そしてもう一つが、舶来万年筆のペン先を細く研ぐという改造です。
私はペン先の研ぎに関してはあまり上手とは言えません。誰かに研ぎ方を教えてもらったというわけではなく、自己流でやっているため、国産ニブ並みの細さ、書き味に研ぐだけの実力はありません。ですから、国産ニブへの換装を主力に据えているわけですが、その手法は手法で、換装に使う国産ニブのタマ不足という深刻な問題も抱えています。
というわけで、最近はもっぱら細く研ぐことに力を入れています。もし研ぎに失敗したら、国産ニブに換装すればいいや、という保険がありますから、研ぎが下手な割には、比較的大胆に実行してます。
▼金磨き布の罠
ペリカン万年筆のEFは、比較的太めです。ですから、選んで細めのEFを買えたM1000などを除けば、改造に手を出した個体が多いですね。
M600は以前の記事にも書きましたが、パイロット カスタム74のニブをつけてます。同じことをするのも気が進みませんでしたので、ナイアガラの滝は研ぐことにしました。
ペリカンEFは下側にぷっくりイリジウムが突き出た形をしており、こういう形状は、細くしにくくて私は苦手です。よく長刀形にしてしまうという失敗をしたものです。ただ、たくさんのペン先を研ぐ内に、コツが分かってきて、最近ではそれなりに満足できる細さにすることができるようになりました。
ナイアガラの滝も、少し苦闘しつつも、ラッピングフィルムを用いて研ぎに成功しました。そして最後の仕上げに、ペン先に付いた細かい傷を取ろうと、金磨き布で磨いた訳ですが、そこに罠があったのです。テレビを見ながらペン先をゴシゴシしてしまったために、ペン先の上面までこすってしまったのです。気がついたときには、写真にあるように、ロジウムメッキが剥がれていたという訳です。
ニブのメッキというのは、こんなにあっさり剥がれるものなんですね。そういう認識がなかったもので、驚きました。高価なロジウムだけに、メッキ厚が薄いというのも影響しているのでしょうか。あと、ロジウムメッキの下には、ちゃんと金色のニブがあるんですね。当たり前の話ではありますが、銀色の下から金色が出てくると、ちょっと違和感が。(^^;
というわけで、アホなことをして、ナイアガラの滝のペン先を部分バイカラー化(違)してしまったという顛末でした。まあ、真似をする人はいないとは思いますが、この記事を読んでいる人は、くれぐれもこんなバカなことはしないようにしましょう。(^^;
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コメント
私も金磨きクロスでシコシコしたことがあるんですが、はじめはペンとペン芯の間に繊維が詰まることを知らず、フロが極端に悪くなってあわてました。
>ペン先に付いた細かい傷
それはルーペで"ああ、まだあるな”って見分けが付く物でしょうか?
私、先日教えて頂いた後、20倍、30倍とルーペを購入したんですが、どれを使っても同じようにしか見えません。(>。<)
観察目の問題でしょうか?集中力の問題でしょうか?年のせいかしら・・・・。
せいぜいがニブの左右が”違い鷹の羽になっていることを発券するくらいです。
どれを見ても綺麗に見えて、でも書くと引っかかる。
で、4,000番 6,000番でまたシコシコ。そのうち引っかからなくなったら止める。
結局ルーペはあまり働いていません。
どのようなところに注意したらよい物でしょう?
>ラッピングフィルムを用いて研ぎに成功
どのような手法なんでしょうか?
私も、切り割りの間のゴミ、ニブとペン芯の間の繊維くずなどを取るときにはサロンパスの剥離フィルムなどを使っておりますが。
今日は驚きましたw(゜o゜)w
先日、もきゅすけさんにご指導を頂いた後ホームセンターで20倍のルーペを購入致しましたが、今日100円やさんで20倍繰り出しが210円。30倍繰り出しが315円。
最初に購入した物とでは三倍になりましたのに何ら見えるビジュアルは私に訴えてくれません。 m(_ _;)m マイッタ
投稿: ペン芯のカス | 2009年1月28日 (水) 00時17分
ペン芯のカス さん、こんにちは。
ニブとペン芯の間に繊維が詰まるのは良くありますね。金磨き布では経験ないですが、ペン先をティッシュで拭ったりすると、よく繊維片がペン先に挟まったりしますね。
ペン先の傷は、それほど目立っていたわけではないのですが、ペン先を研いだ後に、ペン先をパフがけするのと一緒にペン先の傷も取ろう、というぐらいの軽い気持ちで金磨き布を使ったんですよね。よそ見をしながらゴシゴシしたのが失敗の元でした。(^^;
ペン先の引っかかりの発見はちょっと難しいですね。基本的には、切り割りに段差がなくて、背開きや腹開きになっていなければ、引っかかりはなくなりますので、まずはその状態に持って行くのを目指します。この段階では、あくまで指を使っての調整です。
それでも引っかかりがある場合は、切り割り付近にバリがある可能性がありますので、それを取る感じで、ラッピングフィルムを使いますね。ただあんまりやり過ぎると馬尻になっちゃいますので、ある程度までの引っかかりなら、使い込んで慣らす方法をとることが多いです。時間はかかりますが、それが一番無難と言えば無難ですので。
研ぎ方については、あくまで自分で試行錯誤しての素人技なので、その方法についてはちょっと書けないです。ごめんなさい。いい加減なことを書いても問題ですので。
ただ、研ぐ順番、目指す形というのは、『趣味の文具箱 Vo.1』のp.85でフルハルターの古山さんが写真付きで解説している手法を真似しています。
「研磨して左右の幅をまず短くする」→「下側を研いでポイント全体を細くする」→「ポイントを丸く仕上げる」という流れですね。
ただ、研ぎはやはりヤバいネタです。最初は必ず失敗しますので、余り真似されない方が良いかと思います。私みたいな過激な細字主義者でもなければ、研ぎはあんまり必要ないかと。(^^;
どうしてもという場合は、研ぎに関しては「万年筆評価の部屋」さんのブログを参考にされると良いでしょう。私もあそこでかなり学びましたし。
投稿: もきゅすけ | 2009年1月28日 (水) 23時33分
>ラッピングフィルム
分かりました。(゚ー゚)(。_。)ウンウン 研磨フィルム こうゆう名前なんですね スリーエムでは。
サランラップ使って何をするんだろうって思っちゃいました。(>。<)
投稿: ペン芯のカス | 2009年1月29日 (木) 01時28分
ペン芯のカス さん、こんにちは。
あ、ラッピングフィルムって、商品名でしたか。こう呼ぶ人が多かったので、普通名詞かと思ってました。研磨フィルムとか、耐水ペーパーとか呼ぶ方が良いんですかね。まあ、うちのブログは研磨は専門外なので、あまり書く機会はないでしょうけれど。(^^;
投稿: もきゅすけ | 2009年1月30日 (金) 02時59分