セーラー万年筆の2種類のキャップリング
先日、カプリ・ブルーの記事を書きました。そのコメント欄での yuband さんからのご指摘で気がつきましたが、カプリ・ブルーのキャップリングは、通常のプロギア等の二重リングと違い、大型リングなんですね。
→セーラーから「日本橋三越本店限定 カプリ・ブルー」が発売に
今のところ、21kのペン先が付くセーラーの大型万年筆では、2種類のキャップリングが存在します。
「プロフィット21」や「プロフェッショナルギア」は、良くあるタイプの二重リングです。それに対し、「プロギア・モザイク」、「プロギア・マーブルエボナイト」、「プロギア ブライヤ-×エボナイト」、「プロフィット21 梨地」、そして「カプリ・ブルー」といった所が、大型リングですね。
(関連記事)
→セーラー 「プロフェッショナルギア モザイク」 のレビュー
→「プロギア マーブル・エボナイト」に対する物欲が…
→「ハロ-キティ プリンセスカラ-万年筆」等、セーラー新製品をまとめて紹介
▼セーラーらしさ
このキャップリングの違いは、差別化のために行っているんでしょうか。大型リングは、比較的高額商品に多いですし。
ただ、カプリ・ブルーは定番と同じ2万円の万年筆にもかかわらず大型リングを使っているわけですから、定番でも大型リングに出来ない、というわけではないと思うんですよね。個人的には、定番のプロギアやプロフィット21でも、大型リングにして欲しいです。
そう考える理由はいくつかあります。一つは、大型リングの方が押し出しがあるという点です。そしてもう一つ、その方がモンブラン似にならない、という理由があります。
国産三社のスタンダードラインは、なんだかんだ言ってもモンブラン似です。もちろん、黒軸バランス型は昔からある形ですから、どこまでがモンブランを意識してのデザインなのかは議論のある所です。しかし、全く意識していない、と言うと嘘になるでしょう。特に、キャップのリングの意匠が、モンブラン似と言われる大きな理由になっていると思います。
私は細字好きだけに、国産万年筆が大好きです。ですから、国産万年筆がモンブランの真似だのオリジナリティがないだの言われるのに対しては、非常に残念なことだと思っています。そうした指摘から脱却するためにも、スタンダードラインのキャップリングを大型化して、セーラー独自のデザインというのを、より前に出して欲しい所です。
▼柘製作所
今の大型リングは、プロギア型の方が多いですが、プロフィット型でも大型リングにして欲しいですね。セーラーからペン先など部品を供給されている柘製作所の万年筆はその一例ですね。
→柘製作所 オンラインショップ (柘製作所)
柘製作所のオンラインショップを久々に見てみると、ブライヤーのライトブラウンは"在庫なし"になってますね。ブライヤーは材料そのもの入手が困難になっているようで、プラチナでも中屋でも、在庫切れになっていたりと、入手が難しくなっているようです。
ただ、マーブルエボナイトやキャンバスマイカルタは、一部を除いてまだ残っているみたいですね。なかなかこれらの万年筆は魅力的です。ただ、ちょっと価格が高めですので、欲しいと思いつつも、なかなか手が出ないのが現状です。
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コメント
私も同感です。
リングの話はよく分かりませんが・・・・私の大昔のプロフィットはシングルリングですし、先日購入しましたプロフィットスタンダードはWリング、もう一本あるお店の買い切りモデルは太リングです。三種のリング そろい踏み ^^;アハ・・・・・・モンブランに製品として劣らない アフターケアでも劣らないよい物を作っているのですから三社とも。
モンブランを”意識している”と とられないスタイルでいって欲しいです。
プロギアのスタイルもデユォフォールドやペリカンの頂冠を意識してのスタイルのようで
好きになれません。
投稿: ぺん芯のカス | 2009年3月14日 (土) 08時48分
書き忘れました。
販売店の買い切りモデルは太リングなのかも知れません?
もっとも買い切る販売店のご希望でしょうから シングルあるいはWリングを選択することも
可能なのでしょう。
投稿: ぺん芯のカス | 2009年3月14日 (土) 08時51分
ぺん芯のカス さん、こんにちは。
私も、リングがシングルのプロフィット21を持ってます。いつ頃にダブルに替わったんでしょうね。ヴィンテージとして購入した万年筆ではないですから、比較的最近に、ダブルのリングになったのでしょうか。
いずれにしても、146や149似になるのは、あまり好みではないですね。ああいう外見のが欲しければ、146を買うのが本筋だと思いますし。
リングの違いはどうして決まるんでしょうかね。モリタの特別モデルとかはダブルリングですから、販売店限定が大型リング、というわけでもないと思います。
ふと思ったのですが、加工の問題かもしれません。ダブルリングだと、キャップ内に埋め込む必要があります。つまり、リングと一緒にキャップの樹脂を成型する必要があります。ですから、リングと一緒に、溶かした樹脂を成型する、という工程が取れない材質の場合、後からはめ込めるタイプの大型リングを使うのかもしれません。
投稿: もきゅすけ | 2009年3月15日 (日) 07時18分
私も大型リングの方が良いと思ってる口です。
やっぱりセーラーらしさをどこかで出して欲しいと思ってます。
前っから何度も言っていることですがペン先であれだけ出来るんですからデザインでも主張を出して欲しいところです。
投稿: どーむ | 2009年3月15日 (日) 23時56分
どーむ さん、こんにちは。
やはり大型リングは良いですよね。豪華ですし。これで天冠が貼り付け式ではなく、キャップに直接彫り込むタイプだったら、もっと豪華なんですが、それはさすがにぜいたくでしょうか。(^^;
投稿: もきゅすけ | 2009年3月16日 (月) 03時47分
はじめまして。
貴サイトをいつも楽しく拝見させて頂いております。
当方、万年筆・手帳、およびリフィルとインクの研
究サイトを運営している安達功太と申します。
稚拙ではございますが、当サイトの「Webmaster's
Diary」というリンクに、そのコーナーを設けてござ
います。
もしよろしければ、ぜひ貴殿にご覧頂きたく、書き
込みをさせていただいた次第です。
同じ万年筆ユーザーとして、今後もこれを知的生産
ツールの一つとして活用していきたいと思っておりま
す。
では、貴サイトの益々の発展を心より願っております。
安達功太
投稿: 安達功太 | 2009年9月 4日 (金) 13時41分
安達功太 さん、はじめまして。
貴サイトについては、以前から拝見しておりました。セーラーの万年筆の話など、参考になる話が多く、勉強させてもらっています。
これからもよろしくお願いしますね。
投稿: EF Mania | 2009年9月 4日 (金) 23時00分
安達功太です。
>以前から拝見しておりました。
いやはや、、お恥ずかしい・・・。(苦笑)
勉強させて頂いているのはコチラの方です。
こちらこそ、ヨロシクお願いいたします。m(_ _)m
投稿: 安達功太 | 2009年9月17日 (木) 19時21分