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Montblanc 「マイスターシュテュック ソリテール ヘマタイト スティール」 のレビュー

 モンブランの「マイスターシュテュック ソリテール ヘマタイト スティール」、EFです。

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 「10万円以上の万年筆は買わない」という自己制限と、黒軸万年筆の苦手意識とで、モンブランの万年筆は長らく縁がありませんでした。そうした中、ついに購入したのがこの一本です。


(1)外観

 その名が示すとおり、この万年筆の胴軸はステンレスです。万年筆の胴軸に使われる材質としては、かなり珍しいですよね。安価な物なら真鍮(ブラス)、高価な物ならスターリングシルバーというのが一般的です。

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 正直に言えば、素材としての高級感には欠けるでしょうか。私がこれを購入した理由にしても、銀製のモンブランでは、予算オーバーになるという要因が大きかったですし。
 ただ、いざ使ってみると、これはこれで悪くないのでは、と思うようになりました。表面は無地ですから反射して綺麗です。それになにより、他に類例がない、というのが評価が高いです。


 私は基本的に、万年筆に対してはユニークさを重視します。なので同じモデルは複数買いませんし、似たような万年筆を買うのも好みません。その意味で、この「珍しいステンレス製」の万年筆は、所有満足度が高いです。

 ただ、続けてステンレスの万年筆を購入したいか、と言われると、少し微妙ではありますが。(^^; 珍しいステンレス製万年筆を一本だけ持っている、という所に意義を見いだしていますので。

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(2)キャップ

 キャップにはヘマタイトが使われています。独特のグレー色で、胴軸のステンレスと良い対比をなしていて、キャップを閉めるとなかなかバランスが取れていて好印象です。

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 このキャップですが、一つ問題があります。それはキャップを後ろにピッタリ嵌められないのです。かなり力を入れて差し込んで何とか固定できる、という感じです。しかしそれでは胴軸に傷が付きそうなので、あまりやりたくないところです。

 私自身は、ポケットサイズの万年筆以外は原則としてキャップはさしませんから、このことはデメリットとは感じていません。しかし、キャップを後ろにさす流儀の人には、この万年筆は合わないかもしれません。

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(3)ペン先、書き味

 ペン先は大型のバイカラーニブです。パイロットの15号ニブに近い大きさがあります。

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 現行モンブランのEFですが、ちょっと独特のペンポイント形状を持ちます。ブログ 「万年筆評価の部屋」 の管理人さんは、このペンポイントを評して

「Montblancの細字は小さなペンポイントで細字を演出するのではなく、大きくて薄い円盤を横にピッタリと併せてならべ、紙に円周上の一点が当たるようにして細字を演出している。」

と表現しています。その表現はまさに的確だと思います。

 →水曜日の調整報告 【 Montblanc No.23246 ヘマタイト 18K-F 】 (万年筆評価の部屋)

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 私はこのモンブラン独特の細字のペンポイントは、正直言って苦手です。独特の書き味があるのと、横太縦細の描線になるのがどうも好きになれません。ピッタリ横太縦細に書けるのなら良いのですが、現実には文字の思わぬ所が太くなったりして、コントロールしにくいです。私はどちらかと言えば、縦横がしっかり同じ太さで書けるのが好みです。

 この傾向は、ペリカンのEFにも見られるもので、それも同じく苦手です。もちろん、この苦手意識は私の好みの問題で、モンブランのニブ自体に問題があるというわけではありません。購入する際は試筆をして、自分に合っているかどうかを調べると良いでしょう。


(4)吸入方式

 吸入方式はピストン吸入式です。たくさんのインクが入ります。
 この吸入機構ですが、以前にアクシデントで外れてしまったことがあります。以下の記事にその顛末を書きました。

 →モンブランの吸入機構が外れた

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 この吸入機構は、回してから実際にピストンが上下するまでに少しの遊びがあります。個人的には、ちょっと気になる動き方ですね。


(5)筆記バランス、首軸

 この万年筆は、首軸が少し太めですね。胴軸が太くても、首軸は細くなっているのが一般的ですが、このソリテールでは、多少は細くなっているものの、割合太めです。

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 この太さは、私自身の許容範囲のちょうど上限という感じですね。私はあまり首軸が太すぎるのは、持ちにくいので好みません。デルタのドルチェビータ ミディアムは太すぎて苦手です。それに対し、このソリテールは、ギリギリ持ちにくいと感じないレベルです。これ以上太くなるとダメという感じですね。

 なお、この「ソリテール ヘマタイト スティール」には両用式のバージョンもあります。そちらの方は吸入式と異なり細軸ですので、細軸好きの方は両用式の方を選ぶという手もあります。

 重さは43gと、金属軸ですから少し重めです。しかし、キャップを外して書けば、22gですので、大量筆記も問題なくできます。筆記バランスも良好だと思います。


(6)胴軸の曇り、指紋問題

 ステンレスの胴軸は、全くの無地ですから、曇ったり指紋が付いたりしやすいです。なので、それが気になるという人は注意が必要です。

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 ただ、私は乾燥肌のために、指紋が付きにくいので、あまり問題には感じていなかったりします。乾燥肌という私の体質は、金属の首軸が滑りやすい、というデメリットがあるものの、指紋が付きにくい、というプラスがあります。

(7)総評

 ステンレス軸という高級感に欠ける素材ではあるものの、キャップのヘマタイトとのバランスも良く、見た目の美しい万年筆だと思います。ただ、モンブラン細字は独特の書き味や描線があって、それが私の好みとズレているのは残念です。

 しかし良い万年筆であることには変わりありませんから、黒軸でないモンブランを購入したいという方にとっては、良い候補の一つとなるのではないでしょうか。

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    ※スペック一覧

    ・重さ 全体:43g キャップ:21g キャップなし:22g
    ・長さ 全長:14.6cm キャップなし:15.6cm 後尾にキャップ:16.1cm
    ・太さ 首軸最小径:10.6mm 首軸最大径:12mm 胴軸最大径:13mm 胴軸最小径:11.5mm キャップ先端:15mm キャップ後端:8mm

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コメント

父親が毎日日記を付けており、
ボールペンで書いてるのですが風情がないので、墓にまで持っていけるくらい立派な万年筆を父の日に送ろうと調べて居たらココに来ました。

いや深いですね。
勉強になります。

投稿: | 2015年4月24日 (金) 09時36分

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