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中屋万年筆の 「十角軸 赤溜」 が届く

 以前にオーダーした「十角軸 赤溜」が届きました。二日間、たっぷり使いましたが、期待以上のものがあり、満足です。

中屋万年筆

 中屋万年筆の色々なモデルの中で、「十角軸 赤溜」を選んだ理由については、オーダーしたときに書いた以下の記事を参照してください。

 →中屋万年筆(十角軸 赤溜)を注文した

▼輪島漆塗

 漆塗りの万年筆は初めてです。実物を見ずに、ネットの写真だけで注文しましたので、実物がどんな感じなのか、多少不安もありました。しかし、実物は期待通りの素晴らしい質感を持つ一本で、安心しました。

赤溜

 平面部分と角の部分で微妙に色合いが異なり、それがいい具合に目を楽しませてくれます。しかも溜塗りですから、これからどんどん表層の漆の透明度が増し、下地の漆が透けてきます。これからの数年単位での熟成も楽しみです。

 →黒溜の一年後の変化 (中屋万年筆 公式)
 →他の品での溜塗りの変化 (中屋万年筆 公式)


 中屋万年筆は、どちらかと言えば大きめの軸が多く、持て余すのではないかというのも懸念材料でした。しかし、少なくとも十角軸は「大きすぎ、太すぎ」ということもなく、ちょうど良い大きさです。

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 私はポケットサイズの万年筆以外は、基本的にキャップをささないで筆記します。この十角軸も、キャップをささずに、問題なく筆記できます。試しにキャップを後ろに嵌めてみましたが、少し安定感は劣るでしょうか。力を入れて嵌めれば安定するものの、漆に傷や凹みがつきそうで、何となく躊躇われます。漆の保護を考えれば、キャップをささない方が無難かもしれません。

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▼石目乾漆グリップ

 注文したときの記事で、「ちょっとした特注部分」を加えたことを書きました。それが、この石目乾漆グリップです。

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 この石目乾漆グリップを注文した目的は二つありました。

  • デザインに一つのアクセントを加えること
  • 石目乾漆グリップにすることで、すべりにくくすること  

 最初の目的はしっかり果たされて、満足です。グリップ部分が違う質感のデザインにすることで、一本調子ではない変化のある外観が得られました。全体が一つのデザインや質感で統一されている方が好き、という人もいるでしょうが、私はこうした変化がある方が好みですね。

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 二つ目の目的に関しては、ちょっと思惑が外れました。乾燥肌の私の場合は、石目乾漆部分の方が、赤溜の胴軸の部分よりもよりすべりやすいのです。さらにそれに加えて、私の万年筆の持つ位置では、そもそも石目乾漆グリップではなく、その上のネジ部分に指がかかるのです。

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 結果として、すべり止めという思惑は外れましたが、デザイン的には気に入っていますので、良しとしましょう。(^^;


 なお、十角軸の石目乾漆は、キャップと軸をぴったり合わせる嵌合具合が難しいらしく、グリップ部の漆の塗り直しと調整が必要になったそうです。というわけで、当初の納期よりも一ヶ月ばかり余計にかかってしまいました。というわけで、十角軸の場合は石目乾漆グリップはちょっと鬼門かもしれません。(中屋万年筆の中の人にも負担がかかりますし。)(^^;

▼クリップとペン先

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 ペン先とクリップはルテニウムにしました。ペン先のメッキと言えば金やロジウムばかりですから、変わった外観が欲しくてオーダーしました。期待通り、ガンメタル風の渋い色合いです。赤溜の胴軸に良くあった渋さだと思います。ただ、地味目なのは否めませんが。

 ペン先は細字です。#3776系ニブらしい、シャキシャキした文字が書けます。


 クリップなしのシガーモデルの購入も検討しましたが、今回はクリップありのライターモデルにしました。それは、面合わせの都合からです。

 中屋万年筆のネジは四条ネジです。ですので、軸とキャップとで十角軸の面が一致するのは、四つのネジの入り口の内、一つだけなのです。

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 普段は面合わせにはこだわりませんが、合わせたいときに簡単に合わせられる方が便利です。なので、面合わせの目印となるように、クリップありのライターモデルを選んだわけです。下の写真の位置関係でキャップを閉めると、ちょうど面が合います。

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▼費用

 かかった費用は以下の通りです。

万年筆本体 68,250円
石目乾漆グリップ 10,500円
ルテニウムペン先 5,250円
ルテニウムクリップ 1,050円
コンバーター&アダプター 630円
配送料 840円
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合計 86,520円

 ヨーロッパ規格のカートリッジが使えるアダプターは、今すぐに必要というわけではなかったのですが、ついでなので入手しておきました。

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コメント

とうとうクラウンのオーナーになりはったんですね。おめでとうございます!
いいなぁ、溜。エイジングが楽しみですねえ。

オプションですが、予想が外れました(笑)
てっきり、染め分けかと思ってたんですが、石目グリップでしたか。
高級感があって、よいと思います。
ルテニウムのメッキも渋くていいと思います。
工業製品は、気に入るようにするには自己責任の元、改造しなくてはならないことが多いです。
こうやってメーカーが用意してくれるのはありがたいですね。
(自分は今、新しく買ったデジカメのグリップをどうしてくれようか思案中です)

投稿: zero-52 | 2009年5月 6日 (水) 17時02分

入手おめでとう御座います。

よだれが出ますね。
羨ましいです。

大変結構なものを拝見させて頂きました。

ルテニウムとは珍しいですね。
ロジウムほど白くは無いのでしょうか。

私も、プラチナから出ている、ヨーロッパ規格への
変換アダプターを買ったんですが、使い道が無いかもしれません。
と言うか、日本の実家に置いたままです。

投稿: レッドのコッカー | 2009年5月 7日 (木) 00時54分

 zero-52 さん、こんにちは。

 石目乾漆グリップの関係で、ちょっと納期が遅れることになりましたが、ようやく念願の中屋オーナーになれました。もともと、プラチナの#3776系ニブは私のお気に入りでしたから、書き味に関しては問題なく楽しめてます。

 ペン先の染め分けタイプは、漆の軸にはちょっと派手すぎる感じがあったので、ルテニウムを選びました。オプションが細かくあるのは嬉しいのですが、調子に乗ってあれもこれも追加すると、「ちりも積もれば…」になってしまいそうです。まあ、それが狙いなのかもしれませんが。(^^;

投稿: もきゅすけ | 2009年5月 7日 (木) 15時35分

 レッドのコッカー さん、こんにちは。

 ルテニウムは、いくつかの万年筆で胴軸のメッキとして使われているのはありますが、ペン先のメッキとして用意されているのは珍しいですね。基本的にはガンメタル風で、あまり反射しない感じです。
 ビスコンティのメトロポリスのガンメタルが、スターリングシルバーにルテニウムメッキされています。以下の写真で、ルテニウムの雰囲気がよく分かる感じです。
http://www.rakuten.co.jp/buneido/406594/833713/

 ルテニウムメッキは基本的には地味ですから、一般受けはしないかもしれません。ただ、私は金やロジウムメッキのペン先はいっぱい持っていますから、「珍しい」というだけでも購入した甲斐がありました。まあ、マニア故の選択とも言えます。(^^;

 アダプターは安い物ですし、また入手機会も限られていますから、ついでで頼みました。私も今のところ、使う予定はなかったりします。(^^;

投稿: もきゅすけ | 2009年5月 7日 (木) 15時44分

はじめまして。いつも参考にさせてもらっています。

赤溜の細字を購入されたとのことですが、3776の細字と比べて、
線の細さはどうでしょう??

というのも、中屋万年筆での注文を考えているのですが、
細字と極細で迷っています。

プロフィットFLのEFをもっていますが、ちょっと細すぎると感じていますので、
これと同様なら細字にしようかとも思っています。

投稿: ss | 2011年6月25日 (土) 19時07分

 >ss さん

 私が購入した個体で見る限り、他のプラチナの#3776系列と線の細さは同じように感じます。ニブとペン芯はプラチナから供給を受けていますので、同じと考えていいのでしょう。

 基本的には国産三者の細字の字幅は同じぐらいですので、セーラーEFで細すぎると感じられたのでしたら、プラチナでもFを購入された方が無難かと思います。

投稿: EF Mania | 2011年6月25日 (土) 19時21分

早速のお返事ありがとうございます!
1週間ほど悩みましたが、ご意見を参考にFを注文したいと思います。
これからもレビューを楽しみにしていますので、よろしくお願いいたします。

投稿: ss | 2011年6月25日 (土) 19時33分

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