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夏目漱石の『余と万年筆』を朗読で聴いてみた

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 ネットを巡っていました所、夏目漱石の『余と万年筆』の朗読をPC上から音声ファイルで聴けるサイトを見つけました。

 →夏目漱石 余と万年筆(SkyDrive版) (“えぷろんの朗読本棚”)

 『余と万年筆』については以前に耳にしたことがありましたが、聴いて(読んで)みたのは初めてです。現代の一人の万年筆ファンとしても、なかなか聴いていて面白い文章です。


 『余と万年筆』については、以下のリンク先で文章でも読めます。私の場合、こうした昔の文章に読むのは慣れていませんから、朗読の方が内容がスッと頭の中に入ってきやすかったです。

 →夏目漱石 余と万年筆 (青空文庫)

■オノト、丸善、ペリカン

 『余と万年筆』を読むと、万年筆マニアのことが描かれていて、面白いです。

 万年筆道楽という様な人があって、一本を使い切らないうちに飽が来て、又新しいのを手に入れたくなり、之を手に入れて少時すると、又種類の違った別のものが欲しくなるといった風に、夫から夫へと各種のペンや軸を試みて嬉しがるそうだが、


 う~ん、耳に痛い所です。(^^; 夏目漱石自身は、文筆家の割には、筆記具にはあまりこだわらなかったみたいですね。『文士の生活』の中では、以下のような記述があります。

用筆は最初Gの金ペンを用いた。五六年も用いたろう。其後万年筆にした。今用いて居る万年筆は二代目のでオノトである。別にこれがいいと思って使って居るのでも何でも無い。丸善の内田魯庵君に貰ったから、使って居るまでである。筆で原稿を書いた事は、未だ一度もない。


 →夏目漱石 文士の生活(SkyDrive版) (“えぷろんの朗読本棚”)
 →文士の生活 (青空文庫)


 このように万年筆にはこだわりがなかった夏目漱石ですが、セピア色のインクにはこだわっていたみたいですね。ブルーブラックのインクだと、帳面をつけている気がするので嫌いだったそうです。これは私とは逆ですね。私は万年筆にはこだわりますが、インクには全くこだわりがありません。

 なお『余と万年筆』には、夏目漱石が初めて使った万年筆として "ペリカン" の名前が見られますが、これは今のドイツのペリカンとは異なります。英国デ・ラ・ルー社が作った "Pelican" (not "Pelikan") だそうです。

 →ペリカン日本株式会社から送られてきたカタログで遊ぶ (万年筆評価の部屋)


 夏目漱石の万年筆に関する話は、こちらの小編にも軽く触れられています。

 →温情の裕かな夏目さん 内田魯庵 (青空文庫)

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万年筆 / つぶやき」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。このたびはご紹介していただきありがとうございました。
現代の万年筆愛好家の皆様でしょうか、「余と万年筆」に多くのアクセスをいただいております。
「万年筆」という語感が好きで朗読してみたものが、今このようにお目にとまったことは嬉しいかぎりです。
記事を拝見しながら、現代の万年筆事情を楽しませていただきました。 
あらためて感謝いたします。

投稿: えぷろん | 2009年6月22日 (月) 17時17分

 えぷろん さん、こんにちは。

 コメントありがとうございます。えぷろん さんの朗読で、夏目漱石の『余と万年筆』が手軽に読めましたので、私の方こそ感謝しております。
 明治時代の文章は読みにくいものだと思っていましたが、朗読を聴いてみると、あんがい現代の言葉と似ていて、容易に理解できるものなんですね。これは意外な発見でした。現代ではあまり使われていない漢字などがあって、元の文章はちょっと堅めですが、言葉自体は分かりやすいです。もちろん、これは夏目漱石の文章が優れているというのもあるでしょうけれど。
 えぷろん さんの朗読はとても聴き心地が良かったです。これからの活動も期待しております。

投稿: もきゅすけ (管理人) | 2009年6月22日 (月) 19時49分

これででしたっけ。
夏目漱石が墨汁を飲ませたりとか書いたの(^^;
確か、丸善の復刻本を前に読んだことがありますが
記憶の彼方で(゚゚ )☆\ぽか

投稿: ZEAK | 2009年6月23日 (火) 18時29分

 ZEAK さん、こんにちは。

 そういえばそんな話も耳にしましたね。夏目漱石は書を良くし、中国趣味だったみたいですし、墨色の方が好みだったのでしょうね。あの時代にプラチナのカーボンインクやセーラーの極黒、パイロットの証券用インクがあったら、夏目漱石も満足したかも。ただ、彼はあまり万年筆のメンテナンスをしなかったみたいですから、そういうインクを使うとすぐに詰まらせてしまうかも。もっとも、詰まらせる危険度で言えば、墨汁の方がはるかに上ですが。(^^;

投稿: もきゅすけ (管理人) | 2009年6月24日 (水) 00時00分

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