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大橋堂 「梨地塗り 万年筆」 のレビュー

 前の記事の購入報告に続き、梨地塗り万年筆の詳細レビューをしたいと思います。購入したペン先は F です。

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 →大橋堂 梨地塗りの万年筆を購入した

(1)外観

 赤い部分がまだらになっており、下地の金箔より厚い金の部分が、全体的にキラキラ光っています。下地が銀のバージョンよりも黒い部分が多いものの、こちらの方が派手な印象があります。派手さと深みの両方を兼ね備えた外観で、独特の印象があります。

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 キャップにはリングがありません。梨地塗りをより多く楽しむ、という観点からの仕様でしょうね。中屋万年筆の「十角軸 赤溜」と同じ仕様です。

 →中屋万年筆の 「十角軸 赤溜」 が届く

(2)ペン先

 大橋堂の万年筆では、ニブとペン芯はセーラーが供給しています。セーラーのプロフィットスタンダードなどと同じ、14Kの中型ニブです。

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 ペン先はセーラー純正のと比べて、若干柔らかいような気がします。ただ、パイロットのS系ニブやプラチナの軟系ニブのように柔らかいわけではありません。あえて言うならちょっとしなるかな、程度の感触です。基本的にはセーラー14Kニブと同じ感覚で使用できます。

 ニブのサイドの刻印を見ると、「S-F」と記されています。今のセーラーの細字は「H-F」ですから、「Soft F」と「Hard F」の違いなのでしょうか。大橋堂のペン先が全てS系なのか、あるいはH系もあるのかは分かりません。私が購入するときは「細字をください」とリクエストしただけです。

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 ニブ上面には「OHASIDO SINCE 1912 J.S.U」の刻印があります。「J.S.U」は、「Japan Sendai Uehara」の略だそうです。Ueharaというのは、もちろん大橋堂の万年筆を製作されている植原榮一さんの名前です。

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(07/18 追記)
 コメント欄でのレッドのコッカーさんからの指摘で、大橋堂のペンポイントがセーラー純正のとは異なることに気がつきました。同じ細字でも、大橋堂のペンポイントは丸い玉がそのままついた形になってます。手持ちの万年筆で言えば、ちょうどウォーターマンの EF に近いペンポイントですね。

 丸研ぎ故に、左右のひねりへの許容性が高いペンポイントと言えるでしょう。そうしたペン先が好きな方には特に合っているニブですね。

(3)筆記バランス

 重さは 19g と、エボナイト軸ですから軽めです。長さも 13.7cm と、標準的な万年筆に比べると少しだけ短めです。ただ、ポケットサイズと言うほど小さいわけではありません。手持ちの万年筆と比較すると「プロフェッショナルギア・スリム」に近い感覚ですね。

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 大型・太軸の万年筆は持て余し気味、という方にはピッタリの万年筆だと思います。実際、私も最近は細軸・小型万年筆を好む傾向にありますので、この大橋堂の万年筆は今の私の好みにあっていて、好印象です。


 私はほとんどの万年筆でキャップを後ろにつけませんので、これもキャップをつけずに使っています。特に短いと感じることなく使えています。また、キャップを後ろにつけても、キャップが 6g と軽いですから、リアヘビーになることなく、問題なく使えます。

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(4)クリップ、キャップ

 クリップはパイロットのような丸玉付きです。このクリップは個人的にあまり好みではないですね。丸玉よりも、もっとスリムなクリップの方が私は好みです。

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 アウロラのオプティマのような、全体が流線型のクリップでしたら、丸玉でも好印象なのですが。

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 キャップはネジ式で、「2 9/12回転」で閉まります。これはちょっと多めかな。2回転以内で閉まるのが理想的だと個人的には思います。

 →ネジ式万年筆におけるキャップ回転数の一覧

 両用式で、セーラーのコンバータが使えます。

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(5)総評

 独特の漆塗りが美しい手作り万年筆です。手作り万年筆ですから、多少、作りに甘さを感じる面はあります。しかし特徴的で美しい梨地塗りの外観は、多少の欠点を打ち消すだけの良さがあり、所有する満足感を与えてくれます。また、ペン先もセーラー製だけに、安心感があります。

 基本的に購入手段が百貨店などのイベントに限られますから、手に入れにくいのが難点ですね。もしそうしたイベントに遭遇する機会がありましたら、手に取って見てみるのも良いのではないでしょうか。

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    ※スペック一覧

    ・重さ 全体:19g キャップ:6g キャップなし:13g
    ・長さ 全長:13.7cm キャップなし:12cm 後尾にキャップ:15cm
    ・太さ 首軸最小径:9mm 首軸最大径:11.5mm 胴軸最大径:13mm 胴軸最小径:8mm キャップ先端:13.5mm キャップ後端:8.5mm

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コメント

手持ちのプロフィット21の中字もH-Mですね。
軟調のペン先試してみたいですが、セーラー製品では使われていないような気もします。

そう言う意味でも大橋堂は貴重ですね。

自身で、研磨されてるのかもしれませんが、写真のS-FとH-Fでは、ペンポイントの研磨も違うように見えます。

投稿: レッドのコッカー | 2009年7月18日 (土) 15時49分

 レッドのコッカー さん、こんにちは。

 あ、ホントですね!大橋堂のペンポイントと、プロギアスリムのペンポイントをルーペで見てみたら、全然形が違いました。ご指摘ありがとうございます。セーラーOEMだけに、てっきり同じペンポイントだと思いこんでました。(^^;

 私はそれほど万年筆が長くないので、私が万年筆を購入し始めたときには、すでに軟調のセーラーはなくなってました。昔はどうだったんでしょうね。手元の大橋堂の S-F を使う限りは、セーラーの軟調はそれほどとんがった仕様ではなかったのかもしれません。同じ柔らかいにしても、このぐらいが私は好みですね。あまり柔らかすぎると、私では扱いこなせずに、字が汚くなってしまいますので。(^^;

投稿: EF Mania (管理人・改名中) | 2009年7月18日 (土) 22時03分

こんばんわ。初めてコメントさせて頂きます!

先日の近鉄百貨店のお知らせを貴ブログで発見して、何とか最終日に滑り込みセーフで訪れる事が出来ました!いつも1日も早く大橋堂の情報を!と、思っているのですが、間に合わず悔しい思いをしてきたのですが、今回は早く分かった為に購入まで辿り着く事が出来ました!ありがとうございました!

投稿: たがみ たけし | 2009年7月19日 (日) 21時36分

 たがみ たけし さん、はじめまして。

 たがみ さんも大橋堂の万年筆を購入されたのですね。私の記事が少しでも参考になったのだとすれば、書いた甲斐がありました。
 新幹線での購入とは、すごい行動力ですね。たがみ さんが購入された緑色の漆万年筆は、私も気になってました。緑色の万年筆はどちらかといえば少数派ですし、綺麗な色でしたから。2本買おうとも思ったのですが、さすがに財布に厳しかったので購入出来ませんでした。(^^;

 たがみ さんも万年筆関連のブログを書いていらっしゃるのですね。こちらから、たがみ さんのブログにリンクを張ったのですが、よろしいでしょうか。もし問題があるようでしたら、おっしゃってください。

投稿: EF Mania (管理人・改名中) | 2009年7月19日 (日) 23時24分

リンクの件了承しました!拙いブログで恥ずかしいのですが、今後ともよろしくお願いします!こちらの方もリンクを貼らせて貰いたいと思いますので、よろしくお願いします〜〜

投稿: たがみ たけし | 2009年7月20日 (月) 07時58分

 たがみ たけし さん、こんにちは。

 そちらからのリンク、ありがとうございます。同じ万年筆関連のブログとして、頑張りましょう。(^^)

投稿: EF Mania (管理人・改名中) | 2009年7月20日 (月) 08時35分

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