シェーファー「タルガ 1005」の過剰インクフロー調整
私の持つ「シェーファー タルガ 1005 ゴールドストライプ」は、インクフローがあまりに過剰なのが悩みでした。私は基本的にはインクフローが良いのが好きで、そのように自己調整することも多いのですが、このタルガはインクが紙の上にたっぷり盛り上がるほどにインクが出てしまうのです。
インクフローを抑えようと切り割りを締めても、さっぱり効果はなく、どうしてかと悩んでいました。そうした時、ブログ「万年筆評価の部屋」さんの記事で、その理由が分かりました。
→水曜日の調整報告 【 Sheaffer Triumph 506XG 14K-F 生贄 】 (万年筆評価の部屋)
■O脚ペン先
>スリットは十分に開いているのに、ペンポイントの部分だけが、両側から押さえつけられたように密着している。こういう状態は始末が悪い。インクはペンポイントの所までは溢れるほど運んでこられるが、紙にインクをつけるには筆圧をかけて、ペンポイントを開くしかない。そして筆圧をかければ溜まったインクが一挙にドバっと紙に流れ出す。
上記の記事の記述の通り、私のタルガもペン先だけが密着したO脚型になっています。どうりでペン先を締めても効果がなかったわけです。
というわけで、インクフローを抑えるための作業に入りました。記事の通り、まずはペン先を反らせてペン先のO脚を直し、切り割りが並行になるようにしました。そうしてから切り割りを締めることで、全体の切り割りが狭くなるようにしました。
作業の結果、以前よりもインクフローは抑えられました。ただ、多少はインクフロー過剰気味の傾向はまだ残ってますね。インレイドニブということもあって、十分に切り割りを締め切ることができませんでした。まあ、これは仕方がないですね。以前よりもインクフローが安定したことで良しとしましょう。
それにしても、オープンニブに比べると、シェーファーのニブの調整のしにくさは格別ですね。
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コメント
シェーファーのインレイニブの調整は確かに難しそうですね。
こちらはトライしたことはありません。
投稿: 二右衛門半 | 2009年9月 6日 (日) 07時35分
私が使っているレガシーヘリテイジも、インクがドバーッと出たかと思えば、カートリッジを交換したらインク切れ頻発…
EF Maniaさんのように自力で調整する技術は無いので、調整に出しました(購入直後だったためか、タダでやってもらえました)。
なるほど、こういう具合になっていたのですか。初めて知りました。
調整から帰ってきた後は、インクフローがかなり多目ですが、とりあえず不安定さは無くなり、会議録をとる時のような速書きが必要な場合にはちょうど良いかな、というところです。
投稿: 狂四郎 | 2009年9月 6日 (日) 11時05分
二右衛門半 さん、こんにちは。
なかなかの強敵でした。金ペンであるのが助かりました。鉄ペンですと、二重苦の状態になりますし。まあ、金ペンでも、ウォーターマンのカレンともなると、切り割り調整はほとんど不可能ですけれど。(^^;
投稿: EF Mania | 2009年9月 7日 (月) 16時53分
狂四郎 さん、こんにちは。
狂四郎 さんのシェーファーも同じ状態でしたか。インクフローが良いにしても悪いにしても、一定しているのが良いですよね。出たり渋くなったりと、安定しないのが一番困ります。私のこのタルガは中古品なので、店の調整には出せなかったりします。(^^;
シェーファー特有の傾向とは言っても、私の持つ他のシェーファーにはこの問題は発生していませんので、問題のあるタルガを手に入れてしまったのは、運が悪かったです。手持ちのシェーファーでは、VLRが一番インクフローが安定していて、良い感じですね。
投稿: EF Mania | 2009年9月 7日 (月) 17時00分