キャップの穴を 「バスコークN 透明」 で埋める
万年筆の種類によっては、キャップに穴や隙間が空いているものがあります。そうした万年筆の場合、ペン先が乾いて書き出しがかすれたり、インクが濃くなったりします。頻繁に使うなどして、そうした問題を気にしないという人もいますが、私はあまり好きではありません。なので、キャップの穴や隙間は埋めることが多いです。
キャップの穴や隙間を埋めるための道具として、セメダインの「バスコークN 透明」を買ってきました。
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■バスコーク
以前は穴埋め用としては、ニッケンの「穴うめ職人 クロス用 クリア」というのを使っていました。ただそれは放置している間にチューブの中身が全部固まってしまいました。新しく買おうと思っても、どうも廃番になったようで、手に入りません。というわけで、新しいのを調達することにしました。
キャップの隙間埋めとして私が求める条件は、以下の通りです。
- きちんと隙間を埋めることができること(乾いた後に収縮したりしない)
- 埋めた後が目立たないように、透明であること
- 水に強いこと
- いろいろな素材を溶かしたり痛めたりしないこと
インターネットでいろいろ検索した結果、目をつけたのが「バスコークN 透明」です。充填剤として定評のある製品ですし、水回り用ですから、インクなど水気に触れやすいキャップの穴埋めとしては最適です。
■利点とリスク
とりあえず、「デュオフォールド チェックシトリン」と「マーレン ル・レーヴ」の二つに対して使いました。デュオフォールドの場合は丸く開けられた穴を埋め、ル・レーヴの場合はクリップの根元の隙間を埋めました。どちらも爪楊枝の先で充填剤をすくい取り、注意深く穴に押し込みました。あふれた分はティッシュで念入りにぬぐいました。速乾性ではありませんので、変な風に乾いてしまうという心配はありません。
(※実物でも写真でも、穴は確認しにくいですが、しっかり空いてます。)
作業を施してから数週間経ちますが、どちらも気密性の確保に成功し、ペン先が乾きやすいという問題は解決しました。見た目も汚くなったりはしていません。
注意点としては素材に対する影響ですね。万年筆の場合、胴軸に使われる素材としては、「セルロイド、セルロース・アセテート、プラスチック、金銀、真鍮、エボナイト」と、さまざまなものがあります。ですので、そうした素材に対する長期的な影響は現時点ではよく分かりません。私が作業した範囲では問題ありませんが、年単位で見たときにどうなるかは保証できません。また、一度埋めてしまうと、元に戻すことが困難です。ですので、安易にこの作業はされない方がいいと思います。頻繁に使うことで、乾き問題は解決できますし。
ただ、「ペン先が乾きやすい」という理由で使わずに引き出しの肥やしになっているというなら、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。リスクはありますが、使われないまま放置されるのでは万年筆がもったいないですし。
ところで、手持ちの万年筆でまだキャップの穴をふさいでいないものとしてはパーカーの「IM プレミアム」があります。これは金属軸ですし、穴が大きめなので、まだ踏ん切りがつきません。他の方法で穴を埋めることも検討中です。とりあえずはセロテープ作戦でしのいでます。
なお、パーカーの「ソネット」とウォーターマン「エクセプション・スリム」については、全体的に隙間が空いているタイプで、綺麗に穴をふさぐことが極めて困難なため、穴をふさがずそのまま使用しています。
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コメント
小生はロウで埋めています。
手軽ですし、元に戻すのも楽ちんですので…
投稿: ぷーぱぱ | 2014年6月 8日 (日) 10時22分