プラチナ 「プレジール」 のレビュー
プラチナのプレジール、バイオレット色のFニブです。
(1)特徴
このプレジールは乾燥に強いという点が売りの万年筆です。普通ならば2~3ヶ月の放置でインクかすれが発生するところ、このプレジールでは1年以上の放置に耐えるそうです。
キャップ内部を見ると、プレピーと同じようにインナーキャップがバネで動きます。プレピーと同じか、あるいは似たような機構で乾燥を防いでいるようです。
(2)外観
胴軸はアルミで、パール加工されていますので光が反射して綺麗です。カラフルに7色そろっています。私はピンクかバイオレットのどちらを購入するか迷いましたが、同じくプラチナのアフェクションはピンクを購入しましたので、バイオレットにしました。
キャップリングは大きくて、豪華さを演出しています。ただ、1万円以上の高級万年筆ほどの高級感はないですね。これは仕方がないでしょうか。
(3)ペン先
ペン先と首軸はプレピーと同じです。胴軸がスケルトンのプレピーと異なり、非透明のプレジールでこの首軸はちょっと合わないでしょうか。書き味はもちろんプレピーと同じく、低価格にしては安定していていい感じです。プレピーと互換性があるだけに、購入したプレジールの書き味が気に入らない場合、200円のプレピーを購入して入れ替えるという手が使えます。
細字と中字の2種類があり、キャップトップの「0.3」「0.5」という表記で区別がつきます。
(4)筆記バランス
金属軸ですがアルミですので、ほとんど重さを感じずに使うことが出来ます。全体で15g、キャップなしだと7gというのは、万年筆の中でも最軽量の内の一つと言えるでしょう。キャップを後ろに挿しても挿さなくても、ほとんど使い心地に変化はないです。
(5)その他
両用式で、プラチナのコンバーターも使えます。ペン芯のインナーフィンは大きく、たっぷりインクがたまります。ペン芯のインクを綺麗に洗うのが難しいですので、インクをあれこれ変えるのには向かないでしょうか。インクを変えるのであれば、プレピーをたくさん購入して、首軸ごと交換するのがいいでしょう。
(6)総評
乾燥に強いという特徴を生かして、「いつ使うか分からない」場面で使うと便利です。私はこのプレジールをカバンに放り込んで、外出先用として使っています。価格も安いですので、紛失を恐れることなく使えるのもメリットです。
プレラやハイエースなど低価格万年筆には色々ありますが、このプレジールは独特の個性があり、他とは異なる使い方の出来る便利な万年筆だと思います。
※スペック一覧
・重さ 全体:15g キャップ:8g キャップなし:7g
・長さ 全長:14.2cm キャップなし:12.1cm 後尾にキャップ:15.1m
・太さ 首軸最小径:10mm 首軸最大径:11mm 胴軸最大径:12mm 胴軸最小径:8mm キャップ先端:14mm キャップ後端:10mm
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コメント
プレジール、プラチナ自身は「乾かない」ことを全面的に宣伝していますが、本当は「割れない」というのが一番のトピックですよね。プレピーだって、ちょっとやそっとじゃ乾きませんから。あのインナーキャップは#3776にも拡大採用してほしいと思うくらい素晴らしいものだと思います。
プレジール、私も一本買いましたが、デザインは今イチですよねー。こんな形にするなら、いっそのことラミーのアルスターのように、プレピーの形のまま金属軸にした方がよっぽどクールだと思うんですけどねぇ(金型も流用できるかもしれないし)。プレジールもいいんですが、デザイン上は「日本のペリカーノ」や「日本のサファリ」にはなりえないと思います。
かといって、プレピーは軸とキャップが脆すぎて使えないしなぁ…
投稿: しまみゅーら | 2010年6月29日 (火) 16時40分
>しまみゅーら さん
確かに、プレピーの軸が割れるという弱点が克服されたのは大きいですね。嵌合の仕組みや胴軸の素材を改良すれば、プレピーでも割れなくなると思うのですが、価格的にそういった改良も難しいでしょうから、プレジールを使うのが一番現実的と言えますね。
#3776に採用という場合は、サビが問題になりそうです。万年筆は水分に晒されやすいですから、インナーキャップを動かす機構に金属バネを使った場合、サビついて壊れる恐れがあるのが難点です。プレピーやプレジールなどの場合は、数十年使うことはあまり想定しなくていいので、サビのことは気にしなくてもいいのでしょうけれど。
プレジールのデザインは、確かにちょっとイマイチなのは同意します。ただこのダサさもプラチナらしいと言えばプラチナらしいです。(^^;
投稿: EF Mania | 2010年7月 1日 (木) 20時22分
プレジールの万年筆を持っていますが、インクはどこで売っていますか、教えてください。現在のペンは中字(0.5)です。
投稿: 大塚 重敏 | 2019年9月 6日 (金) 14時35分