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セーラー 「智頭杉 スタンダード」 のレビュー

 セーラーの「智頭杉 スタンダード」Fニブです。

智頭杉スタンダード

(1)外観

 胴軸とキャップに鳥取県の智頭杉が使われた万年筆です。節の少ない綺麗な木目です。この智頭杉スタンダードは、木材を蒸気を当てながら圧縮加工する処理がされており、木目が密になってくっきり浮かび上がっています。これは三菱鉛筆の「故郷の木持ち」シリーズでも採用されている技術です。

万年筆

 表面は厚いコーティングなどが施されていないために、木のそのまま手触りと香りがあります。木の熟成が好きという方には向いていると思います。その一方、胴軸がインクで汚れるのが嫌、手入れは面倒、という方には向いていないでしょうか。私はラナパーという手入れ材を入手して、それで表面の手入れをしています。

 →木軸万年筆の手入れのために 「ラナパー」 を購入した

(2)ペン先

 ペン先はセーラー標準の14金で、細字のみの販売となっています。硬めのコリコリした書き味で、小さな文字を楷書で書くのに適したタイプです。インクフローは標準的ですね。セーラーのペン芯には定評がありますので、インク切れやボタ落ちの心配はないでしょう。

14金ペン先

(3)筆記バランス

 この智頭杉スタンダードは、プロギア・スリムと同じようなサイズの万年筆で、携帯性に優れます。首軸も細めですので、太軸が苦手な人には合っているでしょう。重さは19gで平均的です。

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 キャップを後ろに嵌めないと若干短めです。ですので後ろにキャップを挿した方が使いやすいと思います。ただ、それをするとキャップ内に漏れたインクが胴軸につく恐れがあります。それがこの万年筆の一番の注意ポイントです。対策としては、短めなのを承知でキャップを後ろに挿さないか、あるいは定期的にキャップ内を掃除するかの二択ですね。私は割り切ってキャップを後ろに挿して使っています。胴軸表面を手入れ材で保護しておくと、表面にインクがついても多少は拭き取りやすいと思います。

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(4)その他

 嵌合式ですので、さっと取り出して使いやすい万年筆です。ただ、閉めるときには大きめの「パチン!」という音がします。もうちょっとマイルドな開け閉めの方が私は好みですね。

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 インク吸入方式は両用式です。

(5)総評

 小柄でカジュアルな仕様に向いた万年筆だと思います。表面があまり加工されていませんので、木の熟成を楽しみたい方に向いています。ただその分、手入れには手がかかりますので、気を遣わずに使用したいという方には向かないかもしれません。

 熟成が楽しめる木軸万年筆は、各種手作りメーカーから発売されていますが、国産レベルの細字をラインナップしている所は少ないです。「表面がコーティングされていない細字の木軸万年筆が欲しい」という方には、これは良い候補の一つだと思います。

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 なお、姉妹品として「黒檀スタンダード」と「鉄刀木スタンダード」もあります。

 →セーラーから 「鉄刀木/黒檀 スタンダード」 が発売に


※スペック一覧

・重さ 全体:19g キャップ:11g キャップなし:8g
・長さ 全長:12.6cm キャップなし:11.2cm 後尾にキャップ:14.6m
・太さ 首軸最小径:8.5mm 首軸最大径:9.5mm 胴軸最大径:11.5mm 胴軸最小径:6.5mm キャップ先端:14mm キャップ後端:10mm

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コメント

レビュー、有難う御座います。

お値段も手ごろですし、これ良いですね。

木目が綺麗で、みなさんのレビューを見ていると、パイロットのカエデと比べると、木目の個体差が少なく、通販でも買いやすいように思います。

投稿: レッドのコッカー | 2010年7月15日 (木) 17時23分

私は最近発売になった鉄刀木を買いました。
私が買った物は木目が『ムンクの叫び』のようになっています。
店頭で見て購入を即決しましたが、今はこれはちょっと気味が悪いかもと思い始めています。
これから手の脂を吸って模様が目立たなくなるか、さらに浮き上がってくるか、観察しならがら使いたいと思います。

キャップの開閉がレグノみたいな感じだともっと良かったと思いますが、それでも今回の銘木シリーズはいいと思います。
赤っぽい色の軸なども欲しいと思います。

投稿: yuband | 2010年7月16日 (金) 01時31分

 >レッドのコッカー さん

 パイロットのカエデは木目そのままですが、この智頭杉スタンダードは圧縮加工されてますので、その点では個体差は少なくなるのでしょうね。ただ、加工された模様を人工的と見て嫌う人はいるかもしれません。痛し痒しです。

投稿: EF Mania | 2010年7月17日 (土) 02時03分

 >yuband さん

 ムンクの叫びの模様とは、なかなか独特ですね。圧縮加工されているだけに、これからの経過がどうなるかは未知数かもしれません。
 レグノは確かにキャップの閉まり具合は理想的ですね。ただレグノはペン先が微妙に柔らかいのが少し苦手なんですよね。

投稿: EF Mania | 2010年7月17日 (土) 02時13分

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