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パイロット 「プレラ (PRERA)」 のレビュー

 パイロットのプレラ、ライムグリーンのF字です。

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(1)外観

 パイロットのプレラは3,000円という低価格のお手軽万年筆で、位置づけとしては LAMY「サファリ」やセーラー「ハイエース ネオ」に近いでしょうか。カジュアルなシーンでガシガシ使うのに似合った万年筆です。残念ながら高級感とは無縁です。価格的に高級感を求めるのは間違っているというのも確かですが、もうちょっと頑張って欲しいというのが正直なところです。

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 同種のカジュアル万年筆と比較すると、このプレラは全長が短いのが特徴です。全長の長いサファリと違い、ポケットやバックに放り込んでおいても邪魔にならない扱いやすさがあります。ハイエースネオに比べると軸は太めで、寸胴型です。

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(2)ペン先

 ペン先は鉄で、「デスクペンペンジ」や「ペン習字ペン」と同じ規格のペン先が採用されています。(※ペン習字ペンは字幅はEFです。)

 このペン先はしなりがなく、インクフローが抑えめであるため、縦と横が同じ太さの線を安定して筆記できます。手帳に細かな字をビッシリ書くのには最適なペン先だと思います。筆記感や書ける字の傾向としてはハイエースネオとほぼ同じと言っていいでしょう。

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 パイロットのカスタム74などのペン先は、インクフローが良くて気持ちよく筆記できるものの、インクや紙によっては筆記線の始点や終点がぼやけがちで、それを嫌う人もいます。それに対してこのプレラは線がぼやけることも少なく、小さな字を楷書で書きたい人に向いています。ただその代わりに、書き味には面白みが欠けるでしょうか。

(3)筆記バランス・他

 全長が短い万年筆だけに、キャップを後ろにつけた方が書きやすいです。重さは14.5gと軽めですから取り回しやすいです。嵌合式で、キャップの開け閉めは軽快です。

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 使えるコンバーターはCON-20とCON-50です。世界最強のコンバーターであるCON-70が使えないのは残念ですが、この全長では仕方がないですね。

(4)問題点

 このプレラの問題点としては、胴軸についたインクが拭き取りにくいという点があります。コンバーターでボトルインクから吸入するとき、十分にインクを吸入するには首軸もインクに漬けた方がうまくいきます。しかし吸入後に首軸についたインクを布やティッシュで拭き取ろうとしても、綺麗に拭き取れないのです。

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 インクの種類で違ってくると思いますが、胴軸のプラスチックがインクになじみやすいのか、カラフルな色の胴軸のためにインクが目立つのかは分かりませんが、気になります。水で洗えば綺麗に落ちるので致命的な問題ではないのですが、インクの拭き残しは綺麗ではありません。そうした点を考えると、このプレラはカートリッジで使用した方が無難かと思います。

(5)総評

 小さくて持ち運びに適したカジュアル万年筆です。カッチリとした楷書を書くのが好きな私は、このプレラの細字ペン先はかなり高く評価しています。「小さい字を楷書で安定して書くには、高価格の金ペンよりも向いている」という意見さえ見られるほどです。

 ハイエースネオに比べれば、少しだけ値段が高めです。寸胴型か細長型か、どちらが好きかで選択すると良いでしょう。

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※スペック一覧

・重さ 全体:14.5g キャップ:8.5g キャップなし:6g
・長さ 全長:12cm キャップなし:10.8cm 後尾にキャップ:13.6m
・太さ 首軸最小径:9mm 首軸最大径:11mm 胴軸最大径:12mm 胴軸最小径:10mm キャップ先端:13mm キャップ後端:10mm

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万年筆 / 感想・レビュー (低価格品・他)」カテゴリの記事

コメント

 プレラ、人にあげてしまいましたが、以前持っていました。しかも、このライムグリーンでした。

 私は、インク漏れ覚悟でペチットワン用カートリッジを使って遊んでいました。ペン芯の性能がいいのか(たぶん、masahiroさんご推薦のボーテックスとペン芯は同じかと)、デスクペンでは漏れたペチットワン用のインクも、衝撃にさえ気をつければ漏れずに使えました。ただし、筆記線がにじみがち、かつ裏抜けしがちでしたが。

投稿: しまみゅーら | 2010年10月 4日 (月) 14時53分

EF Mania 様
スタブ調好きを名乗っていながら、清書用万年筆に関しては、EFマニアだったりします。
プレラは、自分が、ベスト型シルバートリムが好きであること、清書用にはもっと細いEFが好きであること、を認識させてくれた、大好きな万年筆です。
EF Mania 様の初期の記事に影響され、EF化するためにペン習字ペンを用意してあるのですが、まだちょっと怖くて踏ん切りがつきません。

投稿: スタブ調、青軸が好き | 2010年10月 4日 (月) 18時12分

>残念ながら高級感とは無縁です。価格的に高級感を求めるのは間違っているというのも確かですが、もうちょっと頑張って欲しいというのが正直なところです。
高級感がない、正しくそのとおりだと思います。ですが、プレラはそれでいいのです、というのが私の答えです。それは、プレラのパイロットにおける販売の位置づけにあります。

もともとプレラが販売されたのはついこの前のことで、ペチットワンを使った女子高生が次の段階として、万年筆入門となるようなペンを意図した新製品でした。それが元々です。そうすると、高級感があってとっつきにくいペンではなく、むしろこういう、ある種チープなペンの方がとっつきやすいのではないか、という考えです。

我々のような万年筆好きは確かに高級感を求めますが、ターゲットが違うから仕方が無いのだと思います。

投稿: 達哉ん | 2010年10月 5日 (火) 17時32分

 >しまみゅーら さん

 同じライムグリーン持ちでしたか。私はパステルカラーが好きでしたので、プレラを買うときはライムグリーンにすぐ決めました。あまり万年筆には見られなカラーですので、お気に入りです。
 プレラはインクフローが抑えめですので、シャバシャバ系のインクが合ってるのかもしれません。

投稿: EF Mania | 2010年10月 6日 (水) 14時40分

 >スタブ調、青軸が好き さん

 プレラのペン先は、ペン芯にしっかり型がつけられていて、ペン芯ズレが生じにくいですから、どちらかといえば交換のリスクは低いと思います。私もペン習字ペンは使っているのですが、さすがにちょっと細すぎる面もあって、使用状況は限られますね。プレラぐらいが私にはちょうどいい細さのようです。

投稿: EF Mania | 2010年10月 6日 (水) 14時48分

 >達哉ん さん

 確かにプレラの位置づけとしては、カジュアル方向を志向しているのでしょうね。ただ私の場合は、どうしてもハイエースネオあたりと比較してしまいます。ハイエースネオと比較すると、価格が高い分、もう少し高級感があればな~とついつい感じてしまいます。(^^; まあ、同価格帯のサファリあたりと比較すれば、特別安っぽいわけでもないので、高級感を求めるのは贅沢なのかもしれません。

投稿: EF Mania | 2010年10月 6日 (水) 15時11分

EF Mania 様
10月23日(土)、「ブルー・オ・ブルー」の現物視察のため近場の百貨店の万年筆売り場に出向いたところ、色彩雫特設コーナーが新設されていて、色彩雫の小瓶セットが売られていました。色彩雫の小瓶に関しては、へぇ~、という感じだったのですが、その横で、まるでプレピーの様な扱いで、スケルトン仕様のプレラが何種類も売られており、ビックリしました。両端のパーツが不透明カラーのものとスケルトンカラーのものとがあり、余りに多すぎて何種類あるのかわかりません。少なくとも10種類以上はあったように思います。コンバーター付属で、レギュラー品よりその分高いようでした。ほぼスケルトンですので、EF Mania 様の物欲は刺激しないとは思いますが、私はパイロットの思うつぼで、色彩雫の小瓶ともども物欲が刺激されてしまいました。
肝心の「ブルー・オ・ブルー」は、レギュラー品とは全然違う場所で、まるでモンブランのように展示されていて、実際の色合いがよくわかりませんでしたが…。

投稿: スタブ調、青軸が好き | 2010年10月25日 (月) 20時26分

 >スタブ調、青軸が好き さん

 プレラのスケルトンは噂には聞いていましたが、もう店頭に出ているのですね。実は今日、文具店によってプレラのスケルトンが出ていないか見てきましたが、残念ながら地方の文具店ゆえ、まだプレラのスケルトンはありませんでした。私はプレラのニブはかなり好きですので、かなり購入を検討しています。
 色彩雫の小瓶セットは気になりますね。今まで私は色彩雫は価格的な問題もあって購入してこなかったのですが、小瓶セットなら購入してもいいかなと感じています。ただ私の場合はやはりインクよりも万年筆本体の方に物欲がいってしまいます。(^^;

投稿: EF Mania | 2010年10月28日 (木) 07時07分

初めまして。金ペン・ソフトニブが苦手な関西出身の者です。
いつも楽しく拝見してます。今後の購入の参考にしてますが、高級品はちょっと……
訳あって中字に縁があります。

プレラ、私も一本持ってます。
ロイヤルブルー軸の中字を使っていますが、細字同様、楷書用に向いてますね。
今では、小学校の頃に買ってもらったカスタム742より活躍してます。
ペンを前の方で持つ癖が抜けないので、このようなガチニブは書きやすいです。
ラミー社のサファリと合わせて、普段使いにもってこいの万年筆だと思います。

投稿: ヘンリー | 2010年11月29日 (月) 21時40分

 >ヘンリー さん、はじめまして

 私も軟調ペン先が苦手です。どうもうまくコントロールできないんですよね。最初に購入したのが鉄ペンのヤング・プロフィットで、その次がウォーターマンのエキスパートと、基本的にガチニブから万年筆に入りました。
 小学校の頃にカスタム742とは、親御さんもなかなかやりますね。小学校の教室で使うには似合わないでしょうけれども。(^^;
 サファリはなかなかいい万年筆だと思うのですが、EFでもそれなりに字幅が太いですので、極細好きの私にはちょっと出番が薄めです。

投稿: EF Mania | 2010年11月30日 (火) 13時26分

ヤング・プロフィットもエキスパートも鉄ペンの名品ですよね。私もそこからスタートすればよかったかもしれません。購入の参考にさせて頂きます。
「カスタム74でいい」という親の忠告を聞かず、無理をして買ってもらいました。普通の硬めニブにすれば良かったのですが、「中字・軟」を購入してしまいました……
私自身、大変親不孝なことをしてしまったと、後悔しております。
小学生が教室で2万円の万年筆を使っていれば、必ず周りから浮くでしょうね。もちろん学校で使用したことはありません。
極細でも線幅が太いのは、舶来品の特徴でしょうね。
現在青サファリの中字を使用してますが、パイロットの「太字」と同じくらい字幅が太いです。

投稿: ヘンリー | 2010年11月30日 (火) 20時37分

 >ヘンリー さん

 最初の1本で軟調ニブは扱いに苦労しそうですね。私は万年筆歴が10年以上になりますが、未だに軟調ニブは苦手です。(※線がどうしてもよれてしまいます。) ただパイロットの中字はちょうどいい字幅で、使いやすい1本だと思います。
 ヤングプロフィットの仕様歴は長かったです。ただデザインが地味なのが難点です。今購入するのでしたら、プラチナの14Kスタンダードが、金ペンで似たような仕様なので、お買い得かもしれません。

投稿: EF Mania | 2010年12月 2日 (木) 13時02分

幸先の良いスタートを切れませんでしたが、二本目のウォーターマンの万年筆で救われました。ソフトニブではどうしても線がよれよれになってしまいますからね。

国産の万年筆は地味なものが多いですが、私はそのほうが好きです。プラチナの14金スタンダードですね? わかりました。顔料ブルーのインクとセットで購入することにします。

投稿: ヘンリー | 2010年12月 2日 (木) 21時49分

 >ヘンリー さん

 !4Kスタンダードは安くて金ペンを手に入れたいときには絶好のペンです。ただ、デザインがあまりに野暮ったいので、デザインも重視したいという場合は他のモデルの方がいいかもしれません。ヘンリーさんは、すでに多くの万年筆をお持ちのようですし。サファリなどは、万年筆っぽさがないだけに、かえって外で使いやすい意味もあります。低価格モデルも探せば意外に多くのモデルがありますので、なかなか選択に迷います。

投稿: EF Mania | 2010年12月 5日 (日) 06時25分

私の場合はペンに派手さは求めないので、金ペンで価格が安ければ、14Kスタンダードで充分だと思います。
プラチナの14K・18Kスタンダードやパイロットのカスタムシリーズは、まさに昔憧れた高級文房具のデザインそのままです。
サファリはいつでもどこでも、サッと取り出して軽快に使えますよね。当地の人々のほとんどは万年筆を使わないので、「これボールペンやで」と言っても素直に信じてもらえます。気取らずに使えるところがいいです。
プレラ、プロカラー、(金ペンでない)スタンダード、ハイエースネオ、ルシーナ、カヴァリエ、セレモ、ニューヤングレックス………色々ありますね。
ハイエースマーブルが廃盤になったのは残念です。廃盤前に購入されてラッキーでしたね。

投稿: ヘンリー | 2010年12月 5日 (日) 17時02分

 >ヘンリー さん

 ハイエースマーブルは、どうも最初から生産数が決まっていて、一回生産して終わりという感じでした。最近は海外メーカを含め、そういう方式が増えているように感じます。一回こっきりの方が在庫を抱えなくていいんでしょうね。ハイエースマーブルは見た目はいいですが、ただ中身はハイエースそのものなので、マニアでないと割高に感じられるかもしれません。(^^; ハイエースネオはその点、シンプルですがお得な1本だと思います。

投稿: EF Mania | 2010年12月 6日 (月) 11時05分

最近のこの不況では仕方ないのかもしれません。プレラの価格でマーブル調の万年筆を買えるのなら安いと思います。ハイエースネオは1本1000円ですから、気軽に買えますね。

投稿: ヘンリー | 2010年12月 6日 (月) 20時18分

これはニューヤングレックスと同価格、同メーカーですが、どうなんでしょうか?ニブは違うのかな?
最近、3000円万年筆を買い替えようと思い、プラチナ「バランス」かパーカー「IM」で悩んでいたのですが、コレもありかもです(笑)カートリッジは幸いにも結構余っているので(最近ニューヤングレックス余り使ってないです・・・)好条件です。
しかし確かにデザインは残念ですねえ・・・金具ぐらい金色にしてほしいところです。個人的にはグレーがいいのですが、キャップのPRERAの印はちょっと安っぽく見えるかもしれませんね。
私はプラチナだとデスクペンとプレピーしか持ってないので、プラチナを試す価値もあるかと思います。そういえば・・・セーラーに3000円レベルってありましたっけ?(ちなみにセーラーはハイエースネオのみ持っています)

投稿: mituno235 | 2012年8月23日 (木) 20時29分

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