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セーラー 「プロフェッショナルギア マーブルエボナイト」 のレビュー

 セーラーの「プロフェッショナルギア マーブルエボナイト」のF字です。私にとって、最初のエボナイト軸の万年筆です。

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(1)外観+エボナイト

 黒と赤色が混じり合った木目のような綺麗な模様でとても気に入っています。このエボナイトはドイツから輸入したもので、もう手に入らないという噂も聞きます。昔からエボナイト万年筆を手に入れたいと思っていましたので、なくなる前に手に入れられて良かったです。

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 エボナイトは独特の質感がありますが、光や湿気で変色しやすいのが弱点です。私は万年筆をデスク上のトレイにガチャッと並べて、使いたいときに取り出して使うのが好きですので、光に弱いというのは深刻な問題です。光の当たらない引き出しにでもしまっておけば安心ですが、それでは使い勝手が落ちます。

 ということで、私は多少の変色は仕方がないと割り切って、デスクライトの下でガンガン使っています。エボナイト万年筆を日常使いする場合は、そうした割り切りが必要かもしれません。パイロットのカスタム845の場合はエボナイトの胴軸表面に国産漆が塗られていますので、変色が嫌な方はこちらを選ぶというのも手です。

 →エボナイト製万年筆における、変色と曇り問題

(2)ペン先

 ペン先はセーラー標準の21Kニブです。私はこの穂先の長い21Kニブの独特な書き味をを長らく苦手としてきましたが、最近になって扱い方が分かってきて、問題なく使えるようになってきました。ですので、購入時よりも最近の方が使用頻度が高いです。セーラー21Kニブは熱狂的なファンがいる一方で、私のように苦手にする人もいて、好き嫌いが分かれるペン先だと思います。ですので購入前に試筆された方が無難かと思います。(※ただ、短時間の試筆で自分との相性を見極めるのは困難ではあるのですが。)

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(3)キャップ

 プロフェッショナルギアのキャップには2種類の仕様があります。二重リングが装着された少し細めのキャップと、大型リングの付いた少し大きめのキャップです。私はこちらの大型リングの仕様の方が、迫力があって好きですね。もうすぐ発売になるプロフィットFLも大型リングバージョンなので購入が楽しみです。

 →セーラー万年筆の2種類のキャップリング

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(4)筆記バランス

 見た目の印象とは異なり、とても軽い万年筆で、とても扱いやすいです。エボナイトの軽量さを最大限に生かした万年筆だと思います。私はキャップを後ろに挿しませんので、12.5gという軽さを生かして手軽に筆記しています。

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(5)その他

 このマーブルエボナイトには金トリムと銀トリムの2種類があります。クールな印象のある銀トリムの方がマーブル柄に合っている印象がありましたので、銀トリムを購入することにしました。なかなかいい感じです。

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 ただ、私が持つセーラー21K万年筆は、プロギアモザイクを除けばみんな銀色のペン先なんですよね。「プロフィット21銀(2本)、グランザスネオ、プロギア モリタカラー、マーブルエボナイト」のすべてがロジウムペン先で、偏っています。来月に購入予定のプロフィットFLを含めると7本中6本が銀色のペン先という状況に。別に狙って購入しているという訳ではないのですが、なぜかそういう星の巡り合わせにあります。腐れ縁でしょうか。(^^;

(6)総評

 独特のエボナイト柄が美しい万年筆です。大柄な体躯に似合わない軽快な筆記が可能な1本だと思います。材質のエボナイトに関しては曇る問題がありますので、好みが分かれるかもしれません。曇らないようコレクション・ボックスに大事にしまうか、あるいは曇るのを覚悟の上で使いまくるか、どちらかの選択を迫られます。どちらを選ぶかは好み次第ですね。いずれにしても、他とは異なる独特の個性を持った万年筆で、所有することへの満足度は高いものが得られると思います。

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※スペック一覧
・重さ 全体:27g キャップ:14.5g キャップなし:12.5g
・長さ 全長:13.6cm キャップなし:12cm 後尾にキャップ:15.4cm
・太さ 首軸最小径:10mm 首軸最大径:11.5mm 胴軸最大径:13mm 胴軸最小径:8mm キャップ先端:16mm キャップ後端:10mm

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コメント

入手おめでとうございます(^^)
僕はゴールドトリムバージョンを日常使いしてます。最近、ペン先がやっとコナレきて、“手放せない細字”の1本になりました。エボナイトの変色は気になるのですが、それを言い始めたら使えないので、机のトレイに並べてガンガン使ってます。出張が多いので、トレイの上に磨き用の布を被せたりして、僅かながら紫外線に抵抗してます(笑)

投稿: シューちゃん | 2010年11月26日 (金) 10時48分

 >シューちゃん さん

 シューちゃんさんもドンドン使っておられますか。この万年筆の場合は大事に使った方が長く綺麗に楽しめるとは思うのですが、せっかく購入した物ですから、使い込んでしまおうという気になっています。布をかぶせるのはいい案ですね。ただ、そろそろ、万年筆の収納関係のボックスを購入する時期に来ているような気もします。

投稿: EF Mania | 2010年11月26日 (金) 16時32分

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