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オマス 「360 メッツォ」 のレビュー

 オマスの「360 メッツォ」、バイオレットのEFニブです。イタリア本国からEFニブの万年筆を個人輸入して手に入れました。

 →オマス 「360 メッツォ」 を入手

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(1)胴軸形状

 この万年筆の最大の特徴は胴軸が三角形の形状をしていることです。この360シリーズの他にも、ランボルギーニなども三角形の形状をしており、オマスの特徴となっています。他にはない形状ですので、所有満足感が高いです。

 このメッツォは吸入式の大型360シリーズよりも一回り小さいモデルです。ただ小型とは言っても、一般的な万年筆と比べると十分に大きいです。元々の360がかなりの大型ですので、このメッツォは標準サイズと言っていいと思います。

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(2)持ちやすさ、筆記バランス

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 独特な三角形ゆえに持ちやすいかどうかが気になるところですが、意外と持ちやすくて、問題なく筆記できます。親指、人差し指、中指がちょうど上手く3つの面に合わせることができ、安定して筆記できます。ただ、普通の円形軸とはまったく違う形状だけに、ちょっと筆記時に違和感が残ります。慣れるまでは少しかかる感じです。

 なお、四角形のエクセプションの場合はペン先の向きが筆記角度と合わずに悩みましたが、この360ではペン先の向きはちょうど良い位置にセットされていて問題ありませんでした。

 →Waterman 「エクセプション・スリム」 のレビュー

(3)ペン先

 ペン先は細長い18Kで、EFニブは十分に細くて満足です。インクフローも申し分ないです。

 ただ嵌合式キャップのせいか、ペン先が乾きやすいです。インナーキャップはあるのですが、しばらく放置するとカラカラにペン先が乾燥してしまいます。手持ちの中でも有数の乾燥具合で、使用頻度が低い人にはちょっと向かない感じです。キャップに穴や隙間があるわけではありませんので、嵌合が緩い感じでしょうか。

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(4)吸入方式

 吸入方式はカートリッジ専用式です。尻軸を回転させると胴軸が後退し、ガイドレールが現れます。そこにヨーロッパ互換カートリッジをセットして尻軸を回転させると、胴軸が前進してカートリッジがセットされるわけです。

 この方式はギミックとしては面白いのですが、現実的な利点はないですね。こうした複雑な方式ゆえにコンバーターが使えず、故障の確率も高まります。正直に言えばあまり良い印象はありません。普通の両用式の方が良かったです。

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(5)装飾

 首軸とキャップには、アウロラ・オプティマのようなグレカ・パターンが装飾として施されています。胴軸に使われている樹脂は少しプラスチッキーでしょうか。嵌合式の感触などもそうですが、全体的に高級感には欠ける感じです。

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(6)総評

 正三角形の独特な形状が特徴の万年筆です。ユニークな万年筆が欲しいという方には絶好のモデルの1つだと思います。

 ただペン先が乾きやすいことやカートリッジ専用といった点から、手放しには人に勧めにくいです。正三角形のオマス万年筆は他にもたくさんありますので、購入の際はいろいろなモデルを広く検討されると良いかと思います。

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※スペック一覧

・重さ 全体:24.5g キャップ:17.5g キャップなし:7g
・長さ 全長:13.8cm キャップなし:12.1cm 後尾にキャップ:15.6cm
・太さ 首軸最小径:10mm 首軸最大径:12mm 胴軸最大径:13mm 胴軸最小径:12mm キャップ先端:15mm キャップ後端:11mm

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