Danitrio 「ぼかし塗り グリーン 万年筆」 のレビュー
Danitrioの「ぼかし塗り グリーン 万年筆」です。ペン先は軟調のEEFニブで、私好みの細字が書けます。
Danitrio(ダニトリオ)は、漆塗りや蒔絵の万年筆を製造しているアメリカの手作り万年筆メーカで、海外の万年筆ファンをメインのターゲットとして販売しているメーカです。(※ただ後述の通り、制作者は日本人であったりするようです。) 高額な万年筆ばかりということで、名前は聞きつつもなかなか手に入れる機会はありませんでしたが、ebayで細字のEEFニブが出品されているのを発見し、入手に至りました。
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→ eBayで万年筆を落札してみた
(1)胴軸
私はここ数年、漆塗りの万年筆がとても好きになっていますので、その流れでこの万年筆を手に入れました。緑色の漆は初めてです。落ち着いた色合いで、雰囲気が出ています。中央部に白模様があって、そこがぼかし風味になっているのが、良いデザイン上のアクセントになっていますね。
首軸には「晃岳」の銘があります。どうやら、工房晃岳の岡崎晃一朗氏が制作された万年筆のようです。
(2)ペン先
ペン先は軟調のEEFです。外国製のペン先はどうしても太字傾向ですが、これはEEFだけあって、ペンポイントは国産のF相当で、私好みの細字が書けます。パイロットのカエデやS系ニブに近い感じの筆記感ですね。大きなニブですので、インクフローもたっぷりで、インクが盛り上がるように細い線が引けて、いい感じです。ただ、私はそれほど軟調ペン先を得意とはしていませんので、大量筆記には向かない感じでしょうか。
(3)筆記バランス
この万年筆は手持ちの万年筆の中でも有数の太軸で、迫力があります。ただ、エボナイトに漆塗りという中屋万年筆と同じ仕様ですので、大きさの割には軽くて扱いやすいです。使用感はプラチナの出雲に近い感じです。漆塗りという点でも、出雲に似ていますね。
キャップは後ろにささらない仕様ですので、キャップを後ろにさすのが好きな方には向かないかもしれません。私は原則としてキャップはポストしませんので、問題はありません。
(4)その他
Danitrioの万年筆には、アイドロッパー方式とコンバーター方式の2種類がありますが、これはコンバーター方式です。ヨーロッパ互換方式のコンバーターを使用します。
気になる点としては、キャップを閉めるのに4回転半も必要で、ちょっと面倒です。もう少し回転数は減らして欲しかったところです。
(5)総評
気になっていたDanitrioの漆塗り万年筆を、EEFという私好みの細字で手に入れることができて、とても満足です。
Danitorioの万年筆は、10万円を超えるような高額品が多く、なかなか手に入れるのは難しかったのですが、ebayでそこそこの価格で落札できました。その頃はアベノミクスが発動する前の円高時代だったことも後押ししてくれました。ただ、今は円安時代ですので、続いての落札はハードルが高いかもしれません。今から考えると、ちょうど良い時期に手に入れることができて、運が良かったです。
※スペック一覧
・重さ 全体:31.5g キャップ:15g キャップなし:16.5g
・長さ 全長:15cm キャップなし:13.2cm
・太さ 首軸中央径:12.5mm 胴軸中央径:16.5mm キャップ中央径:17.5mm
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コメント
はじめまして。
DanitrioのHPを頻繁にのぞいていますが、日本では発売されていない珍しい塗りのものが多く魅かれます。
DanitrioのFlexy(軟調)ニブはどのような使用感ですか?
PilotのS系ニブに近いということは、フォルカンや所謂Flex Penのように極端に軟らかくはなく、弾力に富むといったところでしょうか?
海外ブランドでEEFのような極端に細いペン先を作っているということは、かなりしなる(ペン先が開く)ことを考慮しているのかな、とも思いましたが。
投稿: まるまる | 2013年6月23日 (日) 19時42分
>まるまる さん
そうですね、弾力はそんなに極端なものではありません。先端部だけがぴょこぴょこしなる感じです。ジャスタス95の軟設定に近い感じでしょうか。
ただ、私は基本的には軟調ニブがあまり得意ではなく、それゆえ私の感覚はあまり当てにはならないかもしれません。どちらかと言えばガチニブ好きですので、軟調ニブ愛好家のような批評観を持っていませんので、話半分に聞いておいてもらえると助かります。
投稿: EF Mania | 2013年6月27日 (木) 13時56分