プラチナの#3776は、新型ニブに全面移行か
前回の記事で、プラチナの新製品「#3776マーブルエボナイト ジュピター」は、ニブが新型の#3776ニブだということが判明しましたが、ネットを巡ってみると、他のモデルでも#3776が新型になっているという情報がありました。
今までは新型#3776ニブとスリップシール機構はセットで考えてきましたが、スリップシール機構が搭載されていないモデルでも新型ニブが見られたということは、どうやら#3776はこのまま新型に移行していくかもしれませんね。
■新型と旧型の書き味の違い
新型ニブと旧型ニブに互換性があって同じ首軸に差し込める仕様であれば、2種類のニブを平行で生産することはコストや生産管理の面でマイナスですので、新型への移行は必然と言えるでしょうか。特に新型#3776は、首軸内のニブの長さが短く、使用する金の量を減らせます。多少は下がったとは言え、金価格が高騰している昨今の情勢を考えれば、新型へ移行することのメリットは大きそうです。
ここで問題になるのは、旧型と新型の書き味の違いですね。旧型#3776の細字は、インクフローが抑えめで、にじみやすい紙やインクであっても線がぼやけることがなく、メリハリのきいた細字が書けます。その一方、鉛筆のような書き味があり、力をかけなくてもスルスルとインクが出てくるという気持ちよさはありません。新型#3776はその逆で、インクがスルスル出る気持ちよさがある一方、にじみやすいインクや紙で使うとインクが出過ぎると感じる場合があります。
どちらも一長一短で、私はどちらも好きです。ただこれから#3776が新型に移行するとなると、旧型の#3776ニブが好きという方は、今のうちに購入しておいた方が無難かもしれません。流通在庫がそうとうあるでしょうから慌てる必要はないかもしれませんが、ネット購入の場合は実物を見られない分、こだわる人は個別の問い合わせが必要かもしれません。
ちなみに私は、すでに旧型#3776が装着された万年筆を10本以上所有していますので、個人的にはこれから購入する#3776は新型の方が嬉しいですね。気になるのは中屋万年筆のニブがどうなるかです。プラチナから部品を供給してもらっているでしょうから、影響はあると思うのですが、どうなのでしょうね。今の在庫が捌けるまで10年間はかかる、なんてことがあるかもしれませんが。(^^; ちなみに、以前に購入したStylo Art 軽井沢さんの「アサマ スネークウッド #3776」は、新型ニブです。これは手作り万年筆というちょっと特殊な例なので、一般化はできないとは思いますが。
| 固定リンク
「万年筆 / 全般」カテゴリの記事
- 金ペンの紙当たりの優しさは魅力(2013.10.24)
- 金ペンを凌駕する国産の鉄ペン(2013.10.11)
- 二つのペン先を両端に持つ万年筆(2013.09.21)
- Edison Pen の吸入方式「Pump Filler」が興味深い(2013.08.05)
- 転がりにくい万年筆がお気に入り(2013.07.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント